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羽田上空試験飛行の報道に隠された二つの不都合な真実

 羽田空港の新ルートについて、政府が試験飛行を終了したことを各紙が報じている。

 なぜこの試験飛行がニュースになるのか。

 それは、都心の上空を飛ぶから、危険極まりないからだ。

 そして、都心の上空を飛ぶから騒音被害の苦情が半端でないからだ。

 それにもかかわらず、なぜ政府は羽田新ルートを強引に開始するのか。

 この問題がメディアに登場した時は、東京五輪で国際線の発着数が増えるからだと説明されていた。

 つまりあくまでも東京五輪の期間中の臨時的なものであると言わんばかりだった。

 しかし、いつのまにか報道からは東京五輪の言葉がなくなり、観光立国を目指す日本にとって、国際線の発着数増加は国策であり、そのためには新ルートが必要不可欠と言い出すようになった。

 つまり羽田新ルートは、これからは恒常的なルートになるのだ。

 都心の危険性と騒音被害は、日常的に受け入れるしかないという事だ。

 だったらそれをはっきり記事にして国民に教えるべきだ。

 しかし、この不都合な真実は隠されたままだ。

 こうして、なし崩し的に、羽田新ルートが決まるのである。

 飛行試験は、あくまでもアリバイ作りでしかない。

 いくら苦情が出ても、羽田新ルートを廃止、変更することはない。

 それでは二つ目の隠された真実は何か。

 それはズバリ、横田空域問題の存在だ。

 都心の上空は、その主要な飛行空域を米軍横田基地へ離発着する米軍機に独占されている。

 その空域は日本の主権が及ばないのだ。

 だからその空域を避けて飛ぶ必要がある。

 そのための危険な低空飛行や急角度の着陸なのである。

 もし都心の上空をすべて日本が自由に使えるなら、いくら国際線数を増やしても、騒音被害や危険性はずっと小さく抑えられるはずだ。

 この不都合な真実は、メディアは決して書かない。

 もし国会でこの二つの隠された真実が追及されたら、メディアも書かざるを得ないだろう。

 メディアが書けば国民は知ることになる。

 日米地位協定の改定はもはや待ったなしであると。

 国民がそう言い出さないように、政治家もメディアも、羽田新ルート試験飛行については何も触れず、そして試験飛行は終了した。

 これからは、羽田新ルートの記事すらなくなっていくだろう。

 任務完了である(了)

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