千葉県木更津市と防衛省は2月14日、陸上自衛隊木更津駐屯地へ6月末にも暫定配備するオスプレイをめぐり、5項目からなる合意文書を締結したという。
2月15日の東京新聞が一段の小さな記事で報じていた。
その合意には、潮干狩りなどの地元の集客イベントに影響が出ないように飛行することや、騒音問題などの懸念事項について地元住民との協議の場を設ける事、などが含まれているという。
しかし、この合意ほど不十分なものはない。
確かに防衛省が保有し、運用するオスプレイは、それでいいだろう。
しかし、米軍が保有するオスプレイはどうするつもりか。
好きな場所、好きな時に、自由に飛び回れる米軍のオスプレイにこそ、運用制限が必要なはずだ。
だから木更津市は、自衛隊のオスプレイ運航よりもはるかに危険で頻繁に行われる米軍のオスプレイ運航について、米国と合意文書をつくらなくてはいけないのだ。
しかし、それはつくりたくても、つくれない。
米軍は応じないからだ。
防衛省は米軍と交渉できないからだ。
日本政府は、日本全土における米軍の自由なオスプレイ飛行を認めてしまっているからだ。
私が木更津市と防衛省の合意文書は笑い話だと言った理由はそこにある。
木更津市が防衛省に求めるのは、自衛隊のオスプレイ飛行を規制する暫定合意ではない。
一刻もい早い日米地位協定の改正だ。
もし渡辺市長が、「市民の安全・安心の確保、生活環境に配慮した(オスプレイの)運用がなされるよう、全力で取り組む」つもりなら、木更津市は防衛省に対し、日米地位協定の改正について、一日も早く米軍と交渉を始めてくれと要求するしかない。
防衛省との暫定合意を笑い話に終わらせないなら、そうするしかないのである(了)
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