中東訪問を終えて安倍首相が今夕帰国する。
関係国に自制を求めることに成功した、自衛隊艦船の中東派遣を各国が歓迎した、この二つを安倍首相は繰り返し自画自賛し、メディアがそれを垂れ流す。
目に浮かぶようだ。
しかし、安倍首相もメディアも、決して触れない大失態がある。
それはオマーン国王の弔問式に安倍首相が参加しなかったことだ。
きのうのNHKがさりげなく報じていた。
カブース国王の死去を受けて、現地には13日までにサウジアラビアのサルマン国王やクウェートのサバハ首長など湾岸諸国の首脳に加え、イランのザリーフ外相、そして歴史的に関係の深いイギリスのチャールズ皇太子などヨーロッパの各国の王族も次々と弔問に訪れた、と。
まさしく弔問外交が行われていたのだ。
なぜ、安部首相は日程を変更して、サウジの後急きょオマーンに駆け付けなかったのか。
なぜ外務官僚はそれを安倍首相に進言しなかったのか。
オマーンに向かい、そこで弔問外交に参加していれば、まさしく今度の安倍首長の中東訪問の外交目的は、一度のまとめて達成されたはずだ。
イランのザリフ外相とも会えたはずだ。
そして日程を繰り上げて帰国し、税金の無駄遣いも節約できたはずだ。
なによりも、伝統的友好国であるオマーンとオマーンの名君であった故カブース国王に対するこれ以上ない敬意と追悼の表明になる。
それなのに、安倍首相は呑気にアブダビあたりをうろうろし、遅ればせながら最後の訪問国としてオマーンに乗り込んだのだ。
これ以上の外交音痴はない。
しかし、どのメディアもその事を一切書かない。
私が指摘した通り、カブース国王の死が迫っていることを知っていながら予定を変更する配慮すら見せずに中東訪問を強行した。
そこにすべてのボタンの掛け違えがあった。
安倍首相は中東の事など何も分かっていない。
これで仲介外交とは笑わせる(了)
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