きょう12月30日の朝日が衝撃的なスクープ記事を掲載した。
すなわち、10月にペルシャ湾内のバーレーン周辺海域で米国主催の国際海上訓練に参加していた海上自衛隊の護衛艦と哨戒機が、イランの革命防衛隊と見られる船から追尾を受けていた事がわかったというのだ。
その時、「我々は日本の海上自衛隊だ。国際訓練に参加するために来た」などと伝えたところ、追尾船は離れて行ったというのだ。
これが事実だとすれば、何がわかるか。
ひとつは、ペルシャ湾内に海自の艦船を派遣すれば、イラン革命防衛隊と不測の事態が起きかねないということだ。
政府が海自艦船の活動範囲をペルシャ湾の外に限定した最大の理由はこの事件にあったに違いない。
ふたつめは、イラン革命防衛隊は、いまのところまだ日本を敵対国と見なしていないということだ。
安倍晋太郎以来の日本の対イラン友好外交の成果が、今日まで生きているということだ。
しかし、もし海上自衛隊の艦船が米国の有志連合に少しでも協力するような真似をして、それがイラン革命防衛隊にばれたら、たちどころにその成果は崩れ去り、日本はイランに敵対する国と見なされるということだ。
イラン革命防衛隊の攻撃対象になるということだ。
安倍政権は危ない綱渡りをしている。
訳のわからない、中途半端な、海上自衛艦の中東派遣は、国内をごまかす事は出来ても、世界をごまかす事は出来ない。
あまりにも軽率で、危険な海上自衛艦の中東派遣だ。
その派遣が、国会審議へてなされたものなら、国会の判断だと逃げられるかもしれない。
しかし、安倍首相はそれを避けた。
閣議決定ひとつで派遣を決めた。
つまり安倍首相の一存で派遣を決めたのだ。
不測の事態が起きれば、その時点で即刻、安倍首相は引責辞任となる。
訳のわからない海上自衛艦の中東派遣は、何事もなければ笑って済ませられるが、米国の動向次第では高い代償を払わされることになる。
ここでも安倍政権の命運は米国が握っているということである。
(了)
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