日米貿易協定案が衆院を通過して事実上成立したにも関わらず、野党は大騒ぎをした形跡がない。
不思議に思って新聞記事をくまなく探したら、きょう11月20日の産経新聞が小さく報じていたのを見つけた。
いつのまにか、辻元清美氏から野党第一党の国対委員長を引き継いだ安住淳氏が、きのう19日の代議士会でこう述べたと言うのだ(産経)
「貿易協定を参院に送らないと首相が答弁に立つ機会がなくなる。わかってほしい」と。
(日米貿易協定の)承認案の衆院通過をあっさり認めたのは、安倍首相の疑惑を、参院本会議でも追及するための「苦肉の策」だといわんばかりだ。
語るに落ちるとはこの事だ。
何のために「桜を見る会」を追及するのか。
安倍首相を辞任に追い込むためだろう。
ならば安住氏は、いや、野党共闘は、衆院で出来なかった事を、参院でやる覚悟があるのか。
野党共闘は、参院で安倍首相を解散・総選挙に追い込む覚悟があるのか。
そうであればまだわかる。
しかし、もし野党共闘にその覚悟があるなら、野党共闘は衆院本会議をボイコットして日米貿易協定の衆院通過を阻止すべきだったのだ。
日米貿易協定の成立を本気で阻止する覚悟を野党共闘が衆院で見せたら、安倍首相は、嫌でも解散・総選挙に打って出て、国民に信を問わざるを得なくなる。
それこそが、歴史に残る解散・総選挙であり、安保闘争の再来になる。
野党にとっても安倍首相にとっても、そして日本の政治にとっても、意義ある解散・総選挙になる。
それなのに、参院本会議でも「桜を見る会」の追及を続けるために、日米貿易協定を承認するという。
本末転倒だ。
なぜこんな奇妙な事が起こるのか。
それは、衆院だけでなく参院でも「桜を見る会」追及の見せ場をつくって、野党共闘の健在ぶりを示すためだ。
野党の参院議員たちにも見せ場をつくってやって、彼らにも選挙対策をさせてやるのだ。
いかにも安住国対委員長のやりそうなことである(了)
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