日本は米国の提唱したイラン包囲網の有志連合には参加せず、日本独自でペルシャ湾の外に自衛隊の艦船を派遣してお茶を濁すことになりそうだ。
このことをいち早くスクープ報道したのは数日前の朝日だったが、その後他紙が書き始めた。
そして、きょう8月10日の毎日新聞は、あたかもそれしかないと言わんばかりに報道している。
もしそうなるなら、日本が米国の提唱する有志連合に参加しなかった初めてのケースになるのではないか。
しかし、だからといって安倍首相が英断した事にはならない。
そもそも米国の有志連合に無理があったのだ。
イラン合意を一方的に破棄してイランに制裁を加えるトランプ大統領の判断が間違っていたのだ
ましてや、それに反発したイランを敵視してイランを包囲しようとする有志連合はもっと間違いだ。
だからこそ、それに参加する主要国は、今になっても英国以外に現れず、さすがの米国も、有志連合(COALITION)という呼び方を撤回して、海洋安全保障イニシィアティブなどと言い変え始めた。
もはや有志連合の先行きはどうなるかわからなくなった。
日本は慌てて参加表明する必要性はないのだ。
かつての強い米国ではなく、何でもかんでも米国の言うことを聞かなくてはいけない米国ではなくなったのだ。
そして、それに加えて、日本は米国のイラン包囲網に絶対に参加してはいけない決定的な理由がまたひとつ明らかになった。
きょう8月10日の読売新聞がテヘラン発水野翔太記者の外電で教えてくれた。
すなわち、イラン外務省のムサビ報道官は9日、次のように述べたというのだ。
もし米国の提唱するホルムズ海峡の海洋安全保障構想にイスラエルが参加するなら、米国とイスラエルは「危険な行動の結果責任を負う」と。
イランは、この海洋安全保障構想を、イランに対する「明確な脅威」と受け止め、「対抗し、領域を守る」と。
呼び名をいくら変えてもごまかす事は出来ないというわけだ。
米国の提案に参加することは、まさしく、米国・イスラエルとイランとの戦争に参加することになる。
これだけは絶対に避けなければいけない。
このイランの警告を知った安倍首相と外務省は、これで有志連合への不参加を最終決断することになるだろう(了)
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