安倍首相がイランを訪問しハメネイ師と米・イランの仲介をしているまさにその時に、ホルムズ海峡を通過していた日本企業のタンカーが何者かに襲撃された。
これほど明確な有事は無い。
そして米国はすかさず、その攻撃はイランの仕業だと発表した。
米国がそういうなら日本はそれを信じるしかない。
なぜならば日本には独自に判断する能力はないからだ。
軍事情報のすべてを米国に委ねてきたからだ。
だから、安倍政権は直ちに自衛隊をオマーン沖に派遣して日本企業の保護に努めなければいけない。
なぜなら、安倍政権は安保法を強行採決して自衛隊による海外での邦人保護、救済活動を可能にしたからだ。
いまここで自衛隊が活躍しないなら、活躍する時はない。
なんのための安保法強硬採決だったのかということだ。
ところが、驚くべき事に、安倍政権の岩屋防衛大臣はあっさりと「そのニーズはない」と言っておわりだ。
まさしく安保法強行採決は、日本の防衛のためではなかったということだ。
そして米国は同盟国の日本が攻撃されたのだから、直ちに軍事行動を起こさなければいけない。
安倍政権は安保法を強硬採決して集団的自衛権の行使を可能にした。
はれて米国が襲われた時に米国の為に軍事行動を日本は行えるようにした。
もはやただ乗りではない。
だったら米国も日本が襲われた時にそれを米国への攻撃とみなして軍事行動を起こさなければ本物の同盟関係とは言えないからだ。
しかも米国はいち早く、イランが攻撃したと世界に公言した。
しかし、米国は動こうとしない。
米国が直接に被害を受けない限り、イランと戦争をする気はないからだ。
これを要するに、日米同盟関係の実態は、決して米国と日本がお互いに軍事協力をして助けあうという、本来の同盟関係ではなく、「好きな時に、日本国内の好きな場所に、好きなだけの米軍を展開する」ことを認めた、米国軍隊に対する日本の一方的協力関係に過ぎないということなのだ。
その不都合な事実が、今度のタンカー事件で見事に暴露されたということだ。
今度の事件の教訓は何か。
それは、日米同盟は日本の安全保障に役に立たないということだ。
いまこそ日本はジャパン・ファーストに立ち戻って、自主・自立した外交を始める必要があるということだ。
伝統的に良好だったイランとの関係を重視し、米国に対してイラン合意を守れと求めることだ。
一方的破棄や一方的制裁は許されないと迫ることだ。
そして中東情勢の安定化の為に、イランとの対話を始めよと米国に迫ることだ。
対米従属からの決別だ。
それしかない(了)
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