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アジア相互協力信頼醸成会議に日本が不在の衝撃

 きのう16日の各紙が一段の小さな記事で報じていた。

 しかし、この記事は衝撃的な記事だ。

 すなわち、15日、タジキスタンの首都ドゥシャンベでアジアと周辺地域の安全保障問題を協議するアジア相互協力信頼醸成会議(CICA)が始まったという。

 この会議は中国とロシアなど27カ国と地域が参加するものであるがその中にはインドや韓国も含まれているという。

 ところが、その参加国の中に日本は含まれていないのだ。

 この種の多国間会議で日本が含まれていないなどということは、私のこれまでの外務省の経験から言って考えられない事だ。

 どんな多国間会議でも必ず日本は参加しようとしてきたからだ。

 そう思っていたら、日本は米国と並んでオブザーバー参加だと書かれていた。

 日米韓同盟の韓国でさえ正式な参加国になっているというのにである。

 これは衝撃的だ。

 しかし、もっと衝撃的なくだりがあった。

 「米国への対抗姿勢で一致する中・ロは、日米同盟を念頭に、あらたなアジアの安全保障秩序の構築を狙う」と書かれていた(16日毎日)。

 「アジアの安全はアジア人民が守らなければならない」と習近平主席が米国はずしの姿勢を鮮明にしたと書かれていた(同)

 イランのロウハニ大統領を前にして習近平主席は、「保護主義に頼らず、あらゆる国の発展を保護する」と述べたという。

 これは日米包囲網ではないのか。

 日本の安全保障にとって最重要の日米同盟のはずが、その日米同盟が、日本をあたかも米国と同一視されて、アジアからも引き離され、敵視されるようになったということだ。

 これほどの外交失敗はない。

 もはや日米同盟は最重要な同盟関係ではなく、日本を滅ぼす間違った同盟関係になってしまったという事である。

 国際情勢はたえず変わる。

 各国はたえす興隆、衰退する。

 安倍首相の後の首相は、誰がなったとしても、時間をかけてもいいから、日米同盟一辺倒から、自主、自立した日本外交に舵を切らなければいけないということである(了)

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