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二つの意味で対米従属的な横田騒音差し止め訴訟判決

 きょう6月7日の各紙が一斉に報じた。

 米軍横田基地の周辺住民が提訴した騒音差し止め訴訟について、一審に続き東京高裁が同様の判決を下したと。

 すなわち、国の支配が及ばない第三者(米軍)の行為を差し止めるものであり、認められないと。

 身も蓋もない判決だ。

 日本政府は米軍に主権を主張できないと言っているのだ。

 これ以上ない対米従属ぶりだ。

 しかし、対米従属ぶりはそれだけではない。

 差し止めは出来ないが損害賠償支払いの必要性は認めた。

 ところが、損害賠償の支払いを命じた相手は、米軍ではなく日本政府である。

 これはおかしい。

 日米地位協定は日本政府と米軍の双方に支払いを命じている。

 その比率はケースバイケースだが、米軍も負担しなければいけないのだ。

 ところが米軍はこれまで一切の負担を拒否し続けてきている。

 日本政府がいくら分担を要求しても米軍は支払わない。

 それは明らかに日米地位協定違反であるが、東京高裁の判決は、米軍の不払いを追認したも同然だ。

 この国の司法が米軍に従属している事は、あの1959年の砂川判決をめぐり、田中耕太郎最高裁長官が駐日米国大使と通じていたことが、米国極秘文書の公開で明らかになった。

 米軍は日本の司法にとって不可侵の存在であり続けて来たのだ。

 横田騒音差し止め訴訟の判決を報じたきょうの各紙が、あらためて教えてくれたこと。

 それは、日本は対米自立しなければ苦しみ続けることになると言う事である。

 米軍基地に反対する日本国民は、いまこそ対米自立を最優先の政策として公約する「オリーブの木」の下に集結すべきである(了)

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