このところ、韓国との関係悪化や、その逆に北朝鮮との無条件首脳会談がニュースを賑わしているが、日本にとって一番重要なアジアの外交相手は、いまも昔も中国である。
その日中外交関係について、きのう5月7日、象徴的な出来事があった。
すなわち、9年余の長きにわたって駐日大使を務めた程永華氏の離任パーティが都内のホテルで開かれたのだ。
それを報ずるニュースの映像を見ながら、日本にとって中国という国が如何に重要であるか、その事をあらためて思い知らされた。
安倍首相を筆頭に自民党の重鎮がこぞって出席した。
映像では映らなかったが、およそ800人の出席者の中には、もちろん野党政治家も含まれていただろうし、財界トップは皆出席しただろう。
招待客は圧倒的に日本人が多く、映像から伝わる雰囲気も和やかだ。
程永華大使は流ちょうな日本語で、日本と中国の友好関係の重要性を語り、日中関係の強化、発展を願い、出席者はそれをこころから同意して聞いたに違いない。
ひるがえって、日本にとって最も重要な国である米国の場合はどうか。
ハガティ米国駐日大使が離任する時はどのようなパーティを想像できるか。
もちろん安倍首相をはじめ、日本の政治家や財界の多くが出席するだろう。
しかし米国大使が日本語でスピーチすることはなく、その内容は建前としての日米同盟の重要性を訴えるビジネスライクなものに終わるに違ない。
そこには程永華大使の離任パーティに見られる和やかさはなく、両国関係の未来についても、日中関係には発展性の明るさがあるのに比べ、日米関係には気が重い米国の要求だけが膨らむ。
そんな中国と米国がいよいよ軍事的に対立しはじめた。
もし米中が戦えば、日本は中国と戦えるのか。
もし米国が、アジアは日本に任せる、といってオフショアーバランシングを鮮明にして来た時、日本は中国と代理戦争を戦えるのか。
断じて出来ない。
決して、してはいけない。
程永華駐日中国大使の離任パーティが教えてくれたこと。
それは、日本の対米、対中外交は、いまこそ、日本の国益を第一に考えた、自主、自立した外交を取り戻さなくてはいけないということである(了)
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