きょうの各紙が小さく報道した。
防衛省制服組のトップである河野克俊統合幕僚長がきのう3月28日に記者会見を開いたと。
4月1日に退任予定である河野幕僚長にとって最後の記者会見だったと。
いうまでもなく河野幕僚長は安倍首相に重用され、任期を何度も延長されて安保法制の成立と実施の陣頭指揮をとってきた人物だ。
安倍首相としては自分の任期中はその職にとどめたかったに違いないが、さすがに後進に道を譲れなければ人事が停滞する。
河野統幕長もまた、後ろ髪引かれる思いで記者会見に臨んだに違いない。
そこまでは周知の事実だ。
私が驚いたのは河野統幕長の発言である。
翌日(29日)に安保法制が3年目を迎えるのを前にして、河野統幕長はこう語ったというのだ。
「『日米同盟は片務的だ』とよく言われるが、安保法制で我々が米軍の要請で(米軍の艦艇や航空機を)守る事も出来る体制になった。双務性に近づいた」と、安保法制の意義を強調したというのだ。
とんでもない発言だ。
日米安保条約は、もともと双務性だった。
つまり、米軍が日本を守る代わりに日本が米軍に国土と予算を提供するという意味での双務性で出来ていたのだ。
しかし、安保法制の成立によって、日本は米軍に国土と予算を負担する上に、自らの危険をおかしてまで米軍を守る負担までさせられるようになったのだ。
双務性ではなく、取られっぱなしの一方的なものになったのだ。
日米関係が双務性だというなら、まず日米地位協定を改定し、主権を回復して対等な双務性にすることだ。
野党はこの河野統幕長の尾発言を後半国会で追及しなければいけない。
こんな人物が、日本を守る自衛隊のトップだったのだ。
安倍首相と二人三脚でこの国の防衛政策を対米従属化してきただけの事はある(了)
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