安倍首相が日中関係について「完全に正常な軌道へと戻った日中関係を、新しい段階へ押し上げていきたい」と答弁したのは6日の参院予算委員会だった。
それを報道で知った私は 外交の行き詰まりをかわすための苦し紛れの大ウソだと書いた。
私が書くまでもなく、王毅中国外相が、それからわずか2日後の3月8日に、全国人民代表大会に合わせて行った記者会見で見事に証明してくれた。
確かに王毅外相は、「日中関係は安定した発展期に入る事が出来る」と語っている。
しかし、それはあくまでも可能性であり、「まだ歩み始めたに過ぎない」と言っている。
しかも「ともに努力すれば」という但し書きがついており、その努力とは「歴史に誠実に向き合う事」だと言っている。
何のことはない。
これまでの中国の考えと何も変わらない。
まさしく安倍首相には、「完全な日中関係の改善など」、出来ないということだ。
」
それよりもなによりも、王毅外相の記者会見の中心は米中関係であり、北朝鮮問題であり、その後に欧州、アフリカ、インド、・パキスタン、中南米との関係が続き、最後に出てくるのが日中関係だ。
極めつけは、きょう3月9日の読売新聞の解説記事だ。
習近平主席の中国にとって米国やロシアが大国とすれば、日本は韓国やベトナム、ラオスと並ぶ周辺国に分類されている(2018年版外交白書)という。
(筆者註:そういえば数年前に中国外務省から日本課という部局がなくなって韓国などと一緒に取り扱われる地域課になったという報道があった記憶がある)
要するに、今や日本は中国にとって、内外情勢に合わせて利用される存在になった(同読売)ということだ。
それにしても、ここまで重要な王毅外相の記者会見であるというのに、ほとんどの新聞は小さな扱いで終わっている。
まるで安倍首相に忖度しているかのごとくだ。
安倍首相の御用新聞である読売新聞が一番詳しく、的確な報道しているのは、なんとも皮肉である(了)
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