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「安倍首相の推薦状」事件から見えるもの(新聞のもう一つの遅れ)

 「安倍首相の推薦状」事件で明らかになった事は、スピード性に劣っているという新聞の限界である。

 その限界をまたNHKの早朝のニュースが教えてくれた。

 それが、日本時間できょう未明にミュンヘンで行われた河野外相とラブロフ外相の北方領土問題に関する協議結果の報道だだ。

 この会談がうまくいくはずがない事は誰もが容易に想像できた。

 案の定、今朝早朝のNHKニュースが進展はなかったと流した。

 北方領土問題は70年越しの交渉であり引き続き交渉を続ける、と語る河野外相の姿が見事にそれを物語っていた。

 ところが今朝の各紙は、いずれも会談前の推測記事だ。

 領土問題の進展がみられるのか、それが最大の焦点だ、と書くだけだ。

 しかし、その記事を皆が読むころには交渉はとっくに終わっていて、失敗だったことが明らかになっている。

 そんな記事は何の価値もない。

 もはや新聞はスピード性に置いては無用な存在になってしまったのだ。

 そんな新聞が生き残唯一の方策は、取材報道であり調査報道だ。

 それを放棄して忖度報道ばかりしているから、ますます新聞は無用になっていく。

 もはや新聞社は存亡の危機にあるということである(了)

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