きょうの各紙が一斉に報じた。
皇太子さまが来年5月1日に新しい天皇に即位し、最初に迎える国賓がトランプ米大統領になる方向になったと。
これはもちろん安倍政権が意図的に流した情報だ。
そしてトランプ大統領を最初の国賓として招待する事は安倍首相が自ら決めた事だ。
この事は何を意味するのか。
その答えは、紹介した「日米安保体制史」(吉次公介著 岩波新書)の中にある。
「日米安保体制史」の本の中に繰り返し出てくる驚きの史実は昭和天皇こそ日米安保体制を最も強く望んだ人だったということだ。
私は、昭和天皇が吉田茂に対し、早く日米安保条約を締結せよと急がしたことを豊下楢彦氏の著書を通して知っていた。
また、沖縄処分の事や、在日米軍の必要性をマッカーサーに訴え、逆にマッカーサーから憲法9条の重要を指摘されたという事も公開情報で知っていた。
しかし、そのような昭和天皇の日米安保重視の発言は、他にもここまで多く存在していたのだ。
その事を私は「日米安保体制史」で知って驚いた。
平和憲法が出来た直後ならいざ知らず、それから何十年たっても、日米安保重視の政治的発言を昭和天皇は繰り返していたのだ。
その天皇陛下を反面教師として今上天皇は憲法9条遵守の立場を貫かれた。
そして来年の5月1日からは、文字どおり戦後世代の皇太子が即位される。
その皇太子が真っ先に迎える国賓が米国の大統領なのである。
賢明な読者ならもうお分かりだろう。
文字通り戦後世代の新しい天皇を省っ長天皇として戴く新しい時代の日本もまた、日米関係を最重要視する日本になるということだ。
その事を、米国に伝え、みずからの国民に対してはそういう事だと思わせる。
まさしくこれが安倍首相の、新天皇が迎える最初の国賓はトランプ米大統領でなくてはならないという、意思だ。
それを知ってメディアが流したとすれば、メディアもまた日米安保最優先ということだ。
それに気づかずに流したとすればメディア失格だ。
どちらにしても、「新天皇の最初の国賓がトランプ大統領」という報道の持つ意味は深刻である(了)
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