やはり日米貿易交渉の真相は日本の全面譲歩だった。
トランプ大統領がそれをばらしたと思ったら、今度はハガティ駐日大使だ。
きのう10月3日の産経新聞がハガティ大使との単独インタビューの内容をスクープ報道した。
そこでハガティ駐日大使ははっきりこう言っている。
「われわれはTAG(物品貿易協定)という用語を使っていない。メディア側の造語ではないかと思う。共同声明には物品と同様にサービスを含む主要領域となっている」と。
動かぬ証拠だ。
安倍首相は首脳会談直後の記者会見で、国民に真っ赤なうそをついたのだ。
そしてそれをそのまま報道した日本のメディアは、そのウソに加担したのだ。
そして、ハガティ大使はこう続けている。
「米国内の政治環境はそのような(TPPのような)多国間合意を支持しない。われわれの唯一の選択肢は二国間の合意であり、安倍首相は日米関係にそれがきわめて重要であることをようやく認識したのだ」と。
なんという無礼な発言だろう。
安倍首相はここまで馬鹿にされていたのだ。
きわめつきは米中貿易戦争に触れた次のくだりだ。
すなわち、「答えは簡単だ。中国が行動を改める必要がある。日米(欧州連合)が(中国の)知的財産権侵害など不公平な貿易慣行に連携して取り組むとした共同声明を歓迎する・・・」と。
なんと、米国の対中貿易戦争に加担しろと命令され、その証として共同声明に協力しますと書かされていたのだ。
それによく応じてくれたと日本は米国から感謝されていたのだ。
いうまでもなく米国の一方的な制裁措置はWTO違反だ。
相手国が不公平な貿易慣行をしていると考えるなら、まずWTOに提訴して解決策を求めるのがルールだ。
それはWTOのルールを尊重する日本の方針でもある。
今度の米国の米国第一主義の制裁についても、それがWTO違反であることを日本も認めている。
それにも拘わらず日米首脳会談後の共同声明では一方的に中国をルール違反だと批判する文言を盛り込むことに合意し、米国に感謝されているのだ。
対米従属ここに極まれりだ。
もちろん、トランプ大統領やハガティ駐日大使の発言を中国は見逃さない。
はたして安倍首相は10月末の訪中で、日中に向けられたトランプ大統領の一方的な要求に対し、どう話し合うつもりなのだろうか。
「ともに米国の保護主義に断固反対する」という共同声明を出して二枚舌を使うのか。
それとも米国の代弁者になって、中国に不公正な貿易慣行を改めろと迫るのか。
それとも、ややこしい話には一切触れず、ただ日中友好40周年を祝うだけでお茶を濁すのか。
あるいは、その前に急きょ訪中が延期されるというちゃぶ台返しになるのか。
けだし見ものである(了)
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