開始を延期されたあげく、わずか一時間であっさり終わった茂木経済再生相とライトハイザー米通商代表の貿易協議だった。
無理もない。
はじめからシナリオは決まっていたからだ。
すなわち、車関税や農産品市場開放についての実質的な交渉は何もせず、そのかわり、米国の要求に全面服従して、二国間貿易協定交渉に応じますと茂木大臣がライトハイザー代表に伝え、これをライトハイザー代表が歓迎して終わるというセレモニーだったからだ。
そして、露払いよろしく、この閣僚級協議の合意こそ、明日行われる安倍首相とトランプ大統領の2回目の首脳会談で高らかに宣言される成果なるのだ。
すなわち、明日の日米首脳会談は、自由(FREE)で、公正(FAIR)で、相互の利益になる(RECIPROCAL)二国間貿易協議(FFR)を開始する事で合意したと宣言して終わる。
何もわからない国民は、安倍首相の「やっている感」外交にだまされて、さすが安倍首相だ、トランプを相手によくやっていると思うだろう。
しかし、これは最悪の合意なのだ。
日本の官僚たちがもっとも避けたかったことだ。
なぜなら米国との二国間貿易交渉になってしまえば、無理難題を突きつけられた挙句、最後はすべて飲まされるからだ。
そのことは、これまでの日米経済交渉の歴史が物語っている。
しかも日本の対米従属ぶりは、昔に比べ、安倍・トランプの下では格段に進んでいる。
文字通り全面服従で終わるだろう。
不平等条約は安保条約だけで十分なのに、そしてその安保条約の改定(日米地位協定の改定)こそが急がれるのに、あらたな第二の不平等条約を結ばされようとしている。
みずからの延命の為に国益をかなぐり捨てようとしている安倍首相なのだ。
まさしく「売国奴」、ここに極まれりである。
はたして、そう喝破するメディアが出てくるだろうか(了)
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