発売中の週刊ポスト(7月20日・27日号)に、もはや官邸主導の言いなりにならざるを得ない外務省の実態について書かれた特集記事を見つけた。
私は元外務官僚の経験から、安倍政権下での外務省は、もはやかつての外務省ではないと喝破してきたが、ここまで外務省が崩壊しているとは思わなかった。
なにしろ安倍外交は、自分の好みで外務事務次官の人事を決め、外交を私物化してきたからだ。
そして、その責任は、外務事務次官を経験しておきながら、後輩の事務次官をまるで部下のように命令して安倍外交を演出して来た谷内正太郎にある。
そのことを私は繰り返して批判して来た。
その谷内正太郎が、通産官僚OBの今井尚哉総理秘書官に主導権を奪われてしまっているのだから、どうしようもない。
ここまでは、すでに報道を通じて私も知っていた。
しかし、私がこの週刊ポストの記事で驚いたのは、河野外相と外務省の関係が最悪であるということだ。
私はレバノン大使の時に河野太郎と言う政治家の世話をした経験から知っているが、最悪の政治家だ。
その河野太郎が、外務官僚を恫喝して、あの悪名高い共謀罪法を通過させた論功行賞で、菅官房長官から外相に抜擢されたという。
これは知らなかった。
まさしく河野外相は、安倍首相の外交の使い走りのために外相にさせてもらったのだ。
そして、その河野外相が、外務官僚を怒鳴り散らしているのが今の外務省の実態なのだ。
これですべてに合点が行く。
慰安婦問題といい、核兵器禁止条約反対といいい、外交がことごと間違った方向に行くのも無理はない。
もしこのまま安倍政権が続くなら、どんどんと外務省はその崩壊を深めて行く事になる。
この崩壊は、たとえ安倍政権が終っても、そう簡単には元に戻れないだろう。
なぜ谷内正太郎は外務省組織のために反発してその職を辞さないのだろう。
元外務官僚として、そして元外務省の同期として、信じられない事である(了)
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