いくら国会で聞かれても、ウソを繰り返すしかない。
これは、森友・加計疑惑追及に対する安倍首相の答弁の事ではない。
今度ばかりは、米軍のF15戦闘機墜落事故(6月11日発生)についての安倍首相の国会答弁の事である。
きょう6月27日の朝日新聞が報じた。
きのう6月26日、在日米軍司令部は、朝日新聞の取材に応じ、「F15戦闘機の飛行中止の要請は受け取っていない」と回答したと。
他の大手紙も、防衛省への取材でわかったとして、日本政府が米側に米軍嘉手納基地所属F15戦闘機の飛行中止を要請していなかったことが26日判明した、と一斉に報じている。
なぜこの事が大きなニュースになるのか。
それは、安倍首相が6月25日の参院予算委員会で野党議員の質問に対し、「米側に安全管理、再発防止の徹底を強く申し入れ、米側は徹底的な点検のため訓練飛行を中止した」と述べていたからだ。
つまり在日米軍司令部の回答がウソでなければ、安倍首相の国会答弁はウソだったということだ。
そして、在日米軍司令部がウソをつく理由はどこにもない。
安倍首相は国会でウソをついていたのだ。
そこで思い出されるのが6月23日の安倍首相の記者団に対する発言だ。
すなわち、安倍首相は、沖縄全戦没者追悼式終了後に記者団の取材に応じ、米軍基地からの流れ弾事件についてハガティ駐日米大使に、次のように申し入れたと語った。
「わたくしからハガティ米国大使に対しても協力を要請したところでありますが、この結果、射場において当面使用しないということになっております」と。
これを知った私は6月24日のメルマガ第449号で書いた。
これは嘘くさい。
なぜなら日本は米軍のすることに一切口出しできない事になっているからだと。
野党は国会でこの安倍発言を徹底追及すべきだと。
実際のところ、在日米軍の行動については、日本は日米安保条約によって主権を放棄している。
だから安倍首相は何も口出しできない。
しかし、そのことを正直に話せば国民から批判されるからウソをくり返すしかないのだ。
そしてそれは安倍首相に限らない。
日本の首相は皆、日米安全、日米同盟に関する事はウソをくり返すしかないのだ。
戦後最大の政治問題は、日米安保条約の下に密約された日本の主権放棄問題なのである(了)
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