「国際的な子の奪取の民事上の側面に関する条約」、いわゆるハーグ条約は、それ自体は中立的な条約だ。
国際結婚が当たり前の諸外国が早くからその条約に加盟し、国際結婚が増えてきた日本が遅ればせながら2014年に加盟したのも頷ける。
しかし、その本当のところは、国際結婚をした日本人の要請に基づいて加盟を決断したのではなく、米国の圧力によって加盟に踏み切ったのだ。
米国の父親が離婚した日本人の母親から子供を連れ戻す事を可能にするための加盟であったのである。
それは、対米従属の外務省が加盟の旗振り役を果たしたことで明らかだ。
おまけに、外務官僚が、米国と結託して子供を連れ帰った母親探しまで行っている。
しかし、ハーグ条約に加盟したからといって、日本人の母親が国内法の解釈や煩瑣な手続きを盾にして子供の引き渡しに応じない余地は残っていた。
司法もまたそれに味方した。
たまりかねた米国は、ついに今年5月の国務省の年次報告書で日本を「条約不履行国」に分類して圧力を強めて来た。
こうなれば後は一直線だ。
外務官僚と同様に対米従属なのが司法官僚だ。
特に幹部に行けば行くほど対米従属だ。
とうとう法務省はハーグ条約実施法の改正に踏みきり、今夏にも改正要綱案をまとめるという。
この子供連れ戻し強制の法改正は、日本でも大きな問題になるだろう。
しかし、例によって対米従属の日本政府や官僚たちは、御用学者や専門家を使って、巧みに情報操作して、日本の母親から米国の父親に強制的に子供を連れ戻す改正法案の成立に手を貸す事になる。
ついに対米従属が子供の連れ戻しにまで及ぶことになるのである(了)
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