きょう6月25日の東京新聞が一面トップで大スクープを掲載した。
すなわち、5月上旬に大連で急きょ開かれた中朝の二回目の首脳会談において、習近平主席が金正恩委員長に対して、6月12日の米朝首脳会談では朝鮮戦争の終結宣言を見送るように促していたというのだ。
これを要するに、中国の頭越しに米朝間で朝鮮戦争を巡る重大な決定をすることは許さないということだ。
なるほど、これで合点が行く。
トランプ大統領は朝鮮戦争の終結宣言に決して反対していなかった。
それにもかかわらず米朝首脳会談で朝鮮戦争の終結について一切取り上げられなかった最大の理由は、金正恩委員長がそれを求めなかったからだ。
私はファクタ6月号の記事を引用して6月20日のメルマガ第440号で書いた。
南北首脳会談を成功させた韓国の文大寅大統領が、米朝首脳会談の際には、韓国も参加した米朝韓の三か国、あるいは、それに中国を入れた米中朝韓の4カ国による朝鮮戦争の終結宣言もありうると発言したことに対して、習近平の中国が、順序が逆だろう、真っ先に中国が入らなければいけないだろう、と激怒したと。
きょうの東京新聞の大スクープは、そのファクタの記事の信ぴょう性を裏付けるどころか、習近平の中国のもっと大きな野望、すなわち、これからは世界の指導国として米国と競い合う、いや米国を凌駕する、という野望を教えてくれたのだ。
私が繰り返して書いて来た通り、米朝首脳会談は事実上の米中首脳会談であったのだ。
そして当然のことながら米朝首脳会談のフォローアップは中国を抜きにしては考えられない。
おりからトランンプの米国は、米国第一主義を掲げて、国際社会に背を向ける形でNATOを分断し、WTOを否定する形で貿易戦争を仕掛けようとしている。
それを見た中国は、機会あるごとに、中国は新しい国際秩序の担い手となると宣言している。
戦後70年続いた米国による国際秩序は、今度の米朝首脳会談をきっかけに、末永きにわたって米中の覇権争いの時代に突入していくのだ。
いまこそ日本は憲法9条を掲げて米中覇権国家のいずれからも自主・自立した平和国家を目指さなければいけない。
もし米中戦えば、日米同盟を最優先する日本はまっさきに中国と戦う事になる。
しかし、現実には米中は決して戦わない。
お互いが敗者になるからだ。
米中は最後は取引して二大覇権国として世界を支配する事になる。
そしてアジアは中国の支配圏内になる。
そうなれば、過去の誤りを引きずる日本は中国はもとより、韓国、北朝鮮とも真の友好関係は築けない。
ますますアジアで孤立する事になる。
どちらに転んでも、安倍政権のような日本では、間違いなく日本の存在感はなくなる。
つまり今の日本のままでは、来るべき、長きにわたる米中二大覇権国時代には対応できないのだ。
いまこそ新党憲法9条の日本の時である。
日米軍事同盟最優先主義から決別し、正しい歴史認識に基づいた中・韓・朝との友好関係の構築、これしかない。
それが出来るのは憲法9条を国是として掲げる日本しかない。
その事を見事に教えてくれた東京新聞のスクープ記事である(了)
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