あす5月24日から安倍首相は訪ロしてプーチン大統領と首脳会談を行う。
ところがそこで話し合われる議題の中に北方領土問題がない。
あるのは、2016年12月に合意した北方領土での共同経済活動のフォローアップだけだ。
およそ日本の首相とロシア(ソ連)の大統領(首相)の首脳会談で、北方領土問題が議題にならなかった首脳会談はなかった。
これを要するに、2016年12月の首脳会談で、もはや北方領土の帰属問題は話し合うことなく、その代りに北方領土での共同経済活動が首脳会談の中心問題となる事になったということだ。
しかも、その共同開発の最大の問題である、「双方の法的立場を害さない特別な制度」の設計議論は、その後一切行われていない。
それどころかロシア側は主権はロシアにあると言い張っている。
これを要するに、安倍首相はもはや完全に北方領土の帰属交渉をあきらめたということだ。
本人は決してそれを認めないだろうが、誰が何と言おうと、北方領土は帰ってこない。
もはや、誰が安倍首相の後の日本の首相になっても、北方領土問題を日本から言い出す事は出来なくなったのだ。
取り返しのつかない安倍パフォーマンス外交の敗北である。
この事を誰も指摘しようとしないが、安倍首相の責任は計り知れない。
もはや日本の対ロ外交は骨抜きになってしまったのだ。
外務省のロシア課はほとんど意味がなくなったのだ。
それを見事に証明した今度の安倍訪ロである。
この深刻さは、いくら強調してもし過ぎる事はない(了)
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