今年はイスラエル建国70周年の年だ。
トランプ大統領が米大使館のエルサレム移転を前倒しして決行したのも、建国70周年を祝っての事に違いない。
そのエルサレム建国70周年に因んで、きょう5月9日の読売新聞が「イスラエル建国70年」と題した特集記事の連載を始めた。
その第一回の今日の記事は、建国以来一貫して米国がイスラエルを支持して来た事を教えてくれている。
なにしろ、1948年5月のイスラエル建国宣言を可能にした1947年11月のパレスチナ分割国連決議は、パレスチナ全土の6%にしか居住していなかったユダヤ人に、パレスチナ全土の56%を与えるという不正義な決議であり、周辺アラブ諸国が猛反発したにもかかわらず、1948年5月に初代首相であるベングリオンが独立宣言したわずか11分後に、米国は世界に先駆けてイスラエルを承認したという。
以来、米国の軍事支援がイスラエルを中東最強の国家として来たと、その読売新聞の記事は教えてくれている。
いまでも年間約30億ドル(約3300億円)軍事支援が行われているという。
これはイスラエルの国防予算の2割に相当するという。
しかし、私がこの読売新聞の記事で最も注目したのは、元イスラエル国防軍司令官が読売新聞の記者に語ったとされる言葉だ。
エルサレム特派員の金子靖志記者はこう書いている。
・・・「我々は米国の支援以上に強国になった。なぜだか知っているか」
元イスラエル国防軍司令官のノアム・ティボン氏はにこりともせずにそう切り出し、ホロコーストの歴史を振り返りながらこう言った。
「ユダヤ人は抵抗もできず虐殺され、今も敵国に囲まれている。強い軍事力があってこそ自分を守れる。その思いはユダヤ人に刻まれている。国を強くしたのは、そうした思いがもたらす結束力だ・・・」
こんな発言を公言するような軍司令官のいるイスラエルは、間違いなく憲法9条の精神を否定する国である。
核兵器保有国のイスラエルが、決してイランの核保有を許さず、軍事攻撃をしてまでも非核化するはずである。
このような考えがあるかぎり戦争はなくならない。
憲法9条の目指す世界と正反対の世界がそこにある。
はたして読売新聞の記者はどういう思いでこの記事を書いたのだろう。
読売新聞はどういうつもりでこの記事を掲載したのだろう(了)
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