公約通りトランプ大統領が日本時間の午前3時に欧米六カ国(米英仏独露中)とイランが結んだ核合意からの離脱を宣言した。
またひとつトランプ大統領は世界を揺るがす大きな決断をした。
しかし、これは米朝首脳会談とは逆に、世界を危険な方向に導きかねない悪い決断だ。
この決断が未明に発表されたこともあり、メディアは単に事実関係だけを報じてるが、これから一斉に解説が始まる。
だから、その前に書いておきたい。
米国が離脱を宣言する事の何が大きな問題なのか。
それは対イラン制裁が再開されるからだ。
米国が単独で核合意から離れ、単独で対イラン制裁を再開するのなら、まだいい。
その場合はイランと米国の問題にとどまる。
しかし、他の5カ国が米国にならってイラン核合意から離脱し、対イラン制裁を再開すれば、イランにとって深刻な打撃になる。
これから、イランと米国が、他の5カ国をどうやって自分たちの方につかせるか、熾烈な外交戦が繰り広げられる事になる。
そんな時に日本は、米国に追従してあわてて対イラン制裁を再開してはいけない。
いずれ対イラン制裁再開に踏み切るとしても、他の主要国の動向を見極めた上で最後に決断すべきだ。
そして、最悪の事態、すなわち米国とイスラエルが単独で武力によるイランの非核化に踏み切る場合には、何があっても日本はその戦争に関わってはいけない。
北朝鮮の非核化については、中国という仲介、抑止国がある。
しかしイランの非核化については、そのような国は存在しない。
それどころか、イランとの最終戦争をも辞さないイスラエルという危険国の存在がある。
そしてトランプ大統領はこれまでのどの米国の大統領よりも親イスラエルだ。
これを要するに、今度のトランプ大統領のイラン核合意からの離脱宣言は、米国とイスラエルによるイランの非核化宣言に他ならない。
北朝鮮の非核化とは比べものにならないほど不正義で危険なものだ。
この決断に限っては蚊帳の外でいいのである(了)
Comment On Facebook