文在寅韓国大統領とトランプ米国大統領の初会談をどう評価すべきか。
大手紙の評価はおおむね、お互いに難題を積み残したままのすれ違いだった、である。
それはその通りなのだが、私の評価は、少し違う。
文在寅大統領の技ありが目立った米韓初首脳会談だったというものだ。
韓国はいまでも米国と一緒になって北朝鮮と戦っている国だ。
その意味で、米国との同盟関係を最優先しなければならない宿命は、日本とは比較にならない。
その韓国の大統領が、韓国国民の反発があるから、今すぐTHAADを配備するわけにはいかないと、トランプ米大統領に伝えたのだ。
北朝鮮に対して強硬一辺倒のトランプ大統領に、「対話の門は開かれている」という文言を共同声明に記す事を飲ませたのだ。
それでいて、「トランプ氏と私の間に深い信頼と友情がつくられた」と共同記者会見で語る事をわすれなかった。
見事な外交だ。
ひるがえって日本の安倍首相はどうか。
韓国と違って米国と対等に立てるはずの日本の首相であるにもかかわらず、トランプ大統領と会う時は、日本の国民生活のことは差し置いて、対米従属一辺倒だ。
その安倍首相が、外遊に逃げ込んで、7月7日にも訪問先のドイツで、文在寅韓国大統領と初首脳会談をするらしい(7月2日共同)。
文在寅大統領との初首脳会談まではいい。
しかし、そこで真っ先に安倍首相が文在寅大統領に伝える事が、「慰安婦合意の履行を促す」という事だという(同上)。
このピント外れぶりはどうだ。
安倍首相が文在寅大統領と真っ先に話すべきことは、文在寅大統領を選んだ新たな韓国との友好関係をどうやって発展させていくかだ。
北朝鮮を含めたアジアの安全保障について、習近平の中国に何を期待すべきか、その事について胸襟を開いて話し合うことだ。
さらに言えば、トランプ大統領と首脳会談したばかりの文在寅大統領と、トランプ大統領をどう評価するか、トランプ大統領の米国との同盟関係をこれからどう進めて行くか、その事を話し合うべきだ。
文在寅大統領もまさしくそれらについて安倍首相と話し合いたいはずだ。
それなのに、慰安婦合意を守れと詰め寄るというのだ。
安倍首相の無能さと外交力のなさに、ただあきれるばかりである(了)
自分で正しい判断ができない人が、外交をするって恐いですね。7月3日に、韓国との首脳会談を終えたトランプ大統領が、習近平氏と、そして安倍首相とも電話会談をしたという。とても判断力を要する会談ではないだろうか。安倍首相は電話会談の中身は公表しないというが、国民には知らせるべきである。
ブルームバーグの6月29日にインタビューした記事で、首相と長年のパイプを持つ、元日本銀行審議委員の中原氏が、黒田総裁は「お辞めいただいた方がよい、再任は斬新さ欠如で、惰性はアイデアをわきにくくなると」酷評している。
外交はもちろんだが、経済も行き詰っていることを証明しているようなものだ。でも国民にはできるだけ分からないようにするために、長年のパイプを持つ人に述べさせていることと、
日本をターゲットにする海外企業の要望には、人事まで応えるのだろうか。(その人の適、不適は別にしても)。
ここまで述べるにはもちろん安倍首相の了解か、官邸の許可を得ていると思う。カジノを含む統合リゾート推進法案も参入したいカジノ企業の圧力に負けた結果ではないだろうか。横浜市長選ではカジノ誘致のことが争点になる。
一般の国民のことを考えた政党こそ新党憲法9条であると共に、人材を長年の友人やパイプを持つ人たちで占められる政権はお辞めいただきたいと言いたいのは、国民の方である。