宮内庁の西村泰彦次長は、昨日22日の定例記者会見で、次のように語ったという。
「天皇陛下のご発言の報道があったが、そうした事実はない」と。
いうまでもなく、この報道とは、私が5月21日のメルマガ第414号で書いた、安倍政権が急ぐ退位特例法に対する天皇陛下の不満を報じた毎日新聞の大スクープ記事の事だ。
もし毎日新聞の報道が正しければ、安倍首相は天皇の意向に背いた逆臣となる。
そんなことは、安倍首相にとってはあってはならないことだ。
だから安倍首相がそんなスクーㇷ゚を認めるはずがない。
毎日新聞の報道を否定した西村宮内庁次長は、あのお言葉事件の責任を取って一新された宮内庁人事の過程で、安倍政権に送り込まれた警察官僚OBだ。
当然のことながら、今回の西村次長の記者会見の発言は、安倍首相の代弁である。
この西村発言に対し、毎日新聞は「十分な取材に基づいて報道しております」とコメントしている。
当然だ。
天皇陛下の発言に関して誤報しようものなら、たちどころに毎日新聞はつぶれる。
社運を賭けた天皇陛下に関する報道を毎日新聞が確信なく報じるはずがない。
嘘をついているのは安倍首相であることは明らかだ。
実際のところ、安倍首相は、原発事故はコントロールされている、と世界の前でウソをついたあの発言から始まって、平気でうそをつき続けている。
特に最近はその嘘がひどい。
そして安倍首相の嘘は、いつもうやむやにされて終わる。
しかし、今度ばかりはどちらが正しいか、白黒をつけなければいけない。
なにしろ天皇陛下が安倍政権に不満を漏らしたかどうかという一大事であるからだ。
問われているのはメディアだ。
今度の事件は毎日新聞一社の問題ではない。
天皇陛下の不満さえも、安倍首相がもみ消そうとしているのかどうかという一大問題である。
メディアをあげて追及すべきだ。
しかし、この西村次長の発言を私が知ったのは、私が住んでいる栃木県の地方紙(下野新聞)だ。
ということは共同通信の配信だ。
それにもかかわらず、大手新聞はどこもこの西村次長の否定発言を報じていない。
定例記者会見であるから皆が知っているはずであるにも関わらずである。
それを共同通信が各社に配信しているというのにである。
安倍政権に都合の悪い事は一切報じない大手メディア。
そんな大手メディアが日本の将来を危うくする安倍政権を支え続けているという動かぬ証拠だ。
大手メディアの責任は万死に値する(了)
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