新党憲法9条

憲法9条それは希望

北朝鮮危機の行き着く先は北朝鮮の核の黙認しかない

 トランプがレッドラインと言った時、その意味するところは大陸間弾道ミサイル発射と核実験であるというのが世界の暗黙の了解だった。

 ところが金正恩は弾道ミサイル実験をあっさりおこなった。

 それにもかかわらずトランプは動かない。

 もちろん今度のミサイル発射は、まだ米国本土に届く大陸間弾道ミサイルではない。

 しかし、それに向かって北朝鮮は着実に技術向上を図っている。

 このまま何の手も打たなければ、北朝鮮はいつの日か間違いなく大陸間弾道ミサイルを完成させるだろう。

 トランプがいま動かないとすれば、それはレッドラインではなかったということだ。

 そして、もし今度の弾道ミサイル発射でトランプが動かなければ、北朝鮮は次は核実験を行うに違いない。

 その時、トランプはレッドラインを超えたといって北朝鮮を攻撃できるのか。

 結論から言えば出来ない。

 そんなことをすれば、世界の破滅とまでは行かないにしても大惨事になり、トランプは歴史に断罪される。

 これを要するに、北朝鮮危機の大騒ぎの行き着く先は、北朝鮮の核保有の黙認しかない。

 その事を、発売中のサンデー毎日(5月28日号)で、金子秀敏毎日新聞客員編集委員が教えてくれている。

 さる5月3日、北朝鮮の朝鮮中央通信が中国を名指しで批判するという、前代未聞の評論を書いた事があった。

 あれは金正恩の習近平に対するこれ以上ない批判だったというのだ。

 その真意は、金正恩体制の保障を求めることであり、それは取りも直さず北朝鮮の核保有の承認を求める事であるという。

 つまり金正恩はあの評論で「命と同じ核兵器は絶対に破棄しない」ということを習近平に伝えたというのだ。

 そして金子氏は、「北朝鮮危機の行方は北朝鮮の核保有を中国や韓国が黙認するかどうかが鍵だ」、とその論評を締めくくっている。

 金子氏は、それ以上の事を語ってない。

 しかし、私は中国や韓国はもとより、米国でさえも、北朝鮮の、「核開発の凍結」という名の、「核の保有」を、認めざるを得ないと思っている。

 なぜならば、トランプがレッドラインを超えたといって攻撃すれば、繰り返すように、大惨事になる。

 そんなことをすればトランプは歴史に断罪される。

 そして金正恩はトランプに対して決めゼリフがある。

 核廃絶を真っ先に行うのは、それをつくった米国だと。

 米国が率先して核廃絶を行えば北朝鮮は真っ先にそれに従うと。

 金正恩はまた習近平に対しても決めゼリフがある。

 米帝国主義と手を組んで世界を二分し、アジアを核兵器で支配するつもりかと。

 習近平に反論の言葉はない。

 北朝鮮危機で一番追い込まれているのは世界の軍事覇権国たちである。

 そして、その大元締めである米国だ。

 北朝鮮危機の解決策は世界から核兵器を廃絶することしかない。

 それが出来ないまでも、核兵器の不拡散、凍結、不使用しかない。

 それを世界に先駆けて提唱することこそ、唯一の被爆国であり、憲法9条を持つ日本の使命である。

 日本はその千載一遇のチャンスを無駄にしているばかりか、世界のどの国よりも北朝鮮に圧力をかけて煽っている。

 米国の軍需産業に加担してミサイル防衛システムの導入を図っている。

 安倍外交は過去と未来の日本国民に対し、これ以上ない大罪をおかしているのである(了)

コメント & トラックバック

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  1. 大人の外交?
    人間の感情を持ち得ない朝鮮半島人に、何を言っても無駄。分かっているだろう!
    タカリ・強請を生業にする動物に、何を言うつもりだ?
    下手すると殺されるよ!

  2. 現在の核を巡る世界の体制は、現状維持を原則にしつつ核軍縮を図るというNPT体制がベースになっている。よって、核保有国は、他の国が新たな核保有国になることを好まない。しかし、核保有国は、必ずしも紳士的な外交ばかりを展開するわけではない。よって、非核保有国は核保有の誘惑にかられやすい。とりわけ、近年、最大の侵略国である米国が、イラクに侵攻し、リビアを完膚なきまでに破壊し、シリアを焦土にし、ウクライナでクーデターを起こすというような状況をみるにつけ、東アジアの小国である北朝鮮が、米国からかつては「悪の枢軸」として目をつけられ、国境近くで、隣国の韓国と大規模な合同軍事演習をやられたりしていれば、自分の国を守るために、必死で核開発を行ない、それをカードにして、生き残りを図る戦略を選ぶことはきわめてリーズナブルといえる。そして、かつて、そのようにして、核保有国の仲間入りを果たしてきたイスラエルやインドやパキスタンは、結局、黙認されたのである。北朝鮮も同様なことを意図するのは当然ではないか。それを恫喝だけで阻もうとすることは、決して得策ではない。ここは、大人の外交の出番しかない。残念ながら、日本の安倍にはその力量が決定的に欠落している。一刻も早く退場してもらうのが最善である。

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