今度の米国のシリアに対する攻撃は、14年前のイラク攻撃とは根本的に異なる。
イラクの場合はサダムフセインが米国・イスラエルのパレスチナ政策を批判し虎の尾を踏んだ。
米国はイスラエルの安全保障のためにサウジにつぐ軍事拠点を中東に持つべく、イラクをその場所にしようとした。
つまりイラクという国を文字通り軍事支配してつくり変えようとしたのだ。
だから国際社会の批判を浴びたのだ。
しかしシリアは違う。
アサド政権は裏で米国、イスラエルとつながっており、米国にとってシリアはパレスチナ抵抗過激派を監視する国だった。
その意味でサダム・フセインのイラクとアサド父子のシリアは米国にとってまったく違う国だ。
いまでこそシリアはイラン、ロシアとのつながりを強めたが、米国にとってシリアは敵対国ではなく、今でもアサドを倒してシリアを混乱させるつもりはない。
今度のシリア攻撃も、あくまでも軍事施設に限った化学兵器使用に対する懲罰攻撃だ。
どんなにアサドが米国に反発しても、アサドが米国に軍事的に楯突くことはあり得ない事を米国は知っている。
だからこそシリアへの限定攻撃など、その気になればすぐに決断できたのだ。
しかし北朝鮮はそうはいかない。
北朝鮮への軍事攻撃は、その影響がシリアやイラクの比ではない。
その影響はアジアの同盟国を直撃し、そこに駐在する米軍基地が標的になる。
何よりもそして北朝鮮への攻撃には中国の了解が不可欠だ。
だからこそ今度の米中首脳会談でも北朝鮮問題が最大の問題だった。
議論は平行線に終わったと報じられているが、間違いなく両国の理解は進んだ。
今度の米中首脳会談の直後に、米国は今後とも北朝鮮問題は日米韓三か国の結束で対応すると日本と韓国に伝えたという。
それを額面通りに受け止めるわけにはいかない。
米国は常にダブルスタンダードだ。
トランプが北朝鮮問題を軟着陸させたいなら、中国との話し合い如何では、米中北朝鮮の三か国密約が進む可能性も有りうると考えたほうがいい。
その場合は、北朝鮮の核開発凍結(核廃棄ではない)の見返りとしての米朝国交樹立である。
中国は喜んで仲介役を引き受けるだろう。
北朝鮮と米国の戦争という選択肢はあり得ない。
シリアへの限定攻撃に理解を示した中国であっても、北朝鮮への軍事攻撃を中国が黙って見過ごすことはない。
シリアへの攻撃によってトランプの北朝鮮攻撃の危険性が高まったと騒ぐのは間違いである(了)
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『トランプが北朝鮮問題を軟着陸させたいなら、中国との話し合い如何では、米中北朝鮮の三か国密約が進む可能性も有りうると考えたほうがいい。その場合は、北朝鮮の核開発凍結(核廃棄ではない)の見返りとしての米朝国交樹立である。』と記載された天木さんのブログの内容は、4月9日の朝、安倍晋三が、ぶら下がり会見で記者会見した様子を見れば、真実であると確信しました。
安倍晋三としては、トランプ大統領が北朝鮮に対しても、シリアに対峙した時の様に軍事的に対応してくれば、自身の支持率も上がるし、憲法改正(実際は憲法改悪)の実現も近くので、軍事的に対応して対応してくれるを望んでいたにも関わらず、上述した『 』で、囲んだ天木さんのブログに記載の内容を電話会談で伝えられ、意気消沈し疲れきった表情になっているのが、4月9日のぶら下がり会見でハッキリと分かります。
安倍晋三は感情が表情や態度にハッキリと出るので、上述した様な意気消沈し疲れきった表情になったものと感じました。
私は外交には全くの素人な上、安倍政権になってからはメディアが正しい情報を殆ど伝えないので、天木さんのブログは大変参考になります。小泉政権下でのイラク戦争時、日本政府の対イラク政策に対する天木駐レバノン日本国大使(当時)としての提案(批判)内容は、私の当時の意見と全く同じ考えでした。天木さんにして見れば、当時の自身の職位を失う事も覚悟の上での、日本政府のイラク政策への提案(批判)を行い実際に職位を失ってしました訳ですが、そこまでして正しい事は正しいと主張された天木さんのブログだからこそ、真実が記載してあると確信していつもブログを拝読させて頂いています。
今後も天木さんのブログには、真実が記載してあると考えて、引き続き拝読させて頂きますので、ブログでの発信を是非、頻繁に続けて下さい。