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安倍首相のトランプすり寄りを痛罵した塩野七生

 その週刊新潮だが、もうひとつ注目すべき記事が掲載されている。

 それはギリシャ歴史作家の塩野七生氏が特別寄稿した、「トランプ時代の日本の進路」という記事である。

 その中で塩野氏は、「同盟国アメリカにトランプ大統領が登場し、日本はどう対処すべか」という週刊文春の質問に対し、こう答えている。

 「ゴールをめがけてシュートするか、それともドリブルしながら好機を待つか、になります。私だったらドリブルしますね。待てる場合ならば待つ、待てない場合でも後を引かないで済むような形で何かはやる。つまり、お茶を濁す、ですね。なぜなら、トランプという人はほんとうに何かをやりたくて大統領になったのか、少なくとも私にはわからないからです。大金持ちになったし、女にはモテまくったし、テレビに出れば視聴率を稼ぐしで、たいがいのことはすべてやって、しかも成功し、あとは大統領選にでも出てみるかとなって、出たら当選してしまった、という感じがしてならないのです・・・」

 こう言って塩野氏は、ギリシアの歴史の数々を引用しながら、トランプに右往左往しないで彼の出方を待つしかない、と言っている。

 ギリシャの歴史など何も知らない私でもそう思い、書いて来た。

 塩野氏は日本の保守の財界や識者に人気のある作家だ。

 その立ち位置は決して反権力ではない。

 そして、この特別寄稿は決して安倍首相を意識して書かれたものではないと思う。

 しかし、はからずもこの特別寄稿は、トランプの米国に前のめりしてきた安倍外交に対するこれ以上ない痛罵となっている。

 塩野七生氏にも批判されるようでは安倍外交もお終いである。

 そして現実のトランプ政権は、わずか2か月余りですっかり立ち往生してしまった。

 安倍首相はどうするつもりだろう(了)

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