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石原元東京都知事の証人喚問で判明した唯一の新事実

 3月20日に東京都議会が百条委員会なるものを開いて石原元東京都知事を喚問した。

 皆が注目したその証人喚問だったが、結局何も目新しい事実は明らかにされず、不毛さだけが残った。

 それは私一人の印象ではない。

 あらゆる報道記事、識者のコメントが、皆そう報道し、言っているのだから間違いない。

 しかし、私がここで書きたいのはそのことではない。

 次の文章をお読みいただきたい。

 「残念ながら、すべての字を忘れました。平仮名さえも忘れました」。新事実はこの発言だけだった・・・

 こういう書き出しで始まる報道記事を目にして、私は思わず吹き出してしまった。

 この記事は、きのう3月21日の日刊ゲンダイ(3月22日号)が石原元知事の証人喚問について書いた記事の冒頭部分である。

 そして日刊ゲンダイのその記事は、その後に次のように解説して見せる。

 「・・・きのう(20日)豊洲移転問題を検証する都議会百条委員会に出頭した石原慎太郎元知事(84歳)。衝撃の告白が飛び出したのは証人喚問の宣誓直後だった。2年前に患った脳梗塞の後遺症として、『利き腕の左腕が使えませんし、字も書けません』と説明。さらに『患部が右側頭頂部だったため、その近くにある海馬、記憶を埋蔵している箱の部分が、うまく開きません』と続け、冒頭の告白に至ったのだ・・・

 石原慎太郎元知事の証人喚問のいかさまぶりを批判する報道は山ほどあるが、これほどユーモアのある書き出しの記事は、この日刊ゲンダイの記事だけだ。

 因みに日刊ゲンダイのその記事は、関係者の言葉を借りて、こうも書いている。

 作家と名乗った石原慎太郎だが、それでよくベストセラーの小説が書けたものだ、衝撃告白は偽証ではないのか、それとも、それが本当ならゴーストライター騒動を彷彿させる・・・

 質問時間を3時間から1時間に短縮を求めた理由は脳梗塞の後遺症かと思ていたら、診断書みると単なる「高血圧」。しかも診断したのは脳の専門家ではなく渋谷のクリニック院長で、本業は産婦人科だという・・・

 どこまで行っても日刊ゲンダイの記事は批判精神満載である(了)

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