先週末に、一部の報道が「質問権」の行使もありうるというスクープ報道した。
この記事を見た私は、いよいよ岸田首相は統一教会の解散にまで踏み込むのか、そう思って書こうとして書きぞびれた。
そうしたら、週明けのきのう17日の予算委員会で岸田首相に先手を打たれた。
岸田首相はこう国会答弁した。
「私自身は旧統一教会とは関係を持たずに政治活動を行って来た。関係を持たない私が責任を持って、未来に向けてこの問題を解決していきたい」
そう大見得を切った。
それだけではない。
永岡文科大臣が「解散命令を請求するに足る事実を把握した場合、速やかに請求することを検討する」とまで言い切った。
メディアの中には、これを時間稼ぎだ、見せかけだと報じるものもある。
しかし、私はしてやられた、ついに、決断できない岸田首相が決断に踏み入った、そう思っている。
その理由は数多くある。
ひとつは、河野太郎消費者担当大臣に命じた消費者庁有識者検討会との連携プレーだ。
すなわち、河野「有識者検討会」のメンバーには、紀藤弁護士や菅野志桜里(旧姓山尾)弁護士ら統一教会批判の急先鋒が抜擢された。
そして、その検討会は、予算委員会が開かれた17日とタイミングを合わせるように、同じ日に、「(旧統一教会は)宗教法人法における法令に違反して著しく公共の福祉を害すると明らかに認められる行為をした」疑いがある、「法人格をはく奪する解散命令請求も視野に入れて調査するよう求める」という踏み込んだ報告書を出している。
ふたつはメディアの取り上げ方だ。
すべての報道が、きのうの予算委員会における岸田首相の答弁をトップニュースで大きく取り上げている。
しかも、いずれも解散請求を視野に入れた報じ方をしている。
これは、とりもなおさず岸田首相は統一教会解散に踏み切るという心証をメディが一斉に共有したということだ。
三つ目は、ここまで世論に期待を持たせておいて、解散なしの腰砕けに終わるなら、世論の反発はますます大きくなり、その時こそ岸田政権は終わることになる。
このことを、岸田首相自身が一番よく知っていると思うからだ。
これから文科省の下につくられる統一教会問題に関する専門家会合が、解散命令を避けるような提言を出せるはずがない。
河野「有識者検討会」より後ろ向きな岸田「専門家会合」を岸田首相がつくるはずがない。
こう考えていけば、もはや統一教会の解散は、決まったも同然だ。
ここまでは誰もが考え、誰もが書ける。
問題は、統一教会解散が文字通り衆院解散につながる可能性があるということだ。
統一教会の解散で、統一教会問題が終わるなら、それでいい。
しかし、その後も、統一教会に関係した国会議員の問題が政局がらみで追及されるようなら、岸田首相は統一教会関係議員の一掃を掲げて国民に信を問うだろう。
私ならそうする。
その選挙に勝てば、岸田首相は選挙によって(つまり国民の手で)、堂々と安倍派の政治家たちを排除でき、岸田一強政権を樹立することができる。
そして、その解散・総選挙は、まさしく国家安全保障戦略を含む安保政策3文書の国会承認の時期と重なる可能性が高い。
文字通り、戦後政治の総決算解散である。
岸・安倍政権が目指した自主防衛含みの日米安保体制から、完全な対米従属の日米安保体制の永久化である。
米国がもっとも好む日本の姿である。
私がもっとも見たくない日本の姿である(了)
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