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米国の外交蹂躙にひとことも発しない日本のなさけなさ

 ポンぺオ米国務長官の前代未聞の中国非難演説から一夜明けても、日本は沈黙を守ったままだ。

 メディアはもとより、政治家も有識者もひとこともない。

 彼らがいかに当惑しているかだ。

 中国を悪者扱いしてきた彼らには、いまさら中国の肩を持つことはできない。

 日米同盟重視という名の対米従属を続けて来た彼らには、何があっても米国を非難できない。

 だから、沈黙するしかないのだ。

 「報復の応酬を懸念する」としか、書いたり、言うしかない。

 そんな中で、米国の外交蹂躙はエスカレートする一方だ。

 今朝6時のNHKニュースが、画像入りで報じた。

 それを観た私はわが目を疑った。

 なんと米国の官憲がヒューストンの中国総領事館に押し入り、機密文書らしきものを持ち出している。

 閉鎖期限が来たといって、不可侵である他国の公館に押し入り、強制手段に及んだのだ。

 その一方で、中国にある自らの総領事館前には、米国の治安部隊を配備して、何があっても中国の官憲を中に入れようとしない。

 中国のスパイ活動については証拠を見つけて更なる攻撃を目論む一方で、自らのスパイ活動については、何があっても証拠をつかませない。

 そういうことだ。

 国際法を公然と無視して先制攻撃を繰り返す米国であるから、外交のルールを定めたウィーン条約を無視する事など朝飯前なのだろう。

 しかしウィーン条約を無視するという事は、外交そのものを否定する事である。

 外交に携わってきた私から言わせれば、これほどルール違反はない。

 米国との外交はあり得なくなる。

 これ以上の暴挙はない。

 それにもかかわらず、日本は一言も米国を非難しないだろう。

 気の遠くなるような日本の思考停止である。

 共産党は赤旗で米国批判をしているのだろうか(了)

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