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日米首脳電話会談の内容を伝えようとしないメディアの劣化

 きのう5月8日の午前10時ごろから安倍首相はトランプ大統領と電話会談をしたらしい。

 しかし、それがどのようなものであったかを本気で国民に知らせようとしたメディアは皆無だ。

 もちろん、報道はしている。

 たとえばきょうの読売はその内容について次のように要旨を報じている。

 コロナ治療薬やワクチンの開発、経済活動の再開に向けた取り組みなどで引きつづき日米間で協力する

 拉致・などの解決に向けて今後も一層緊密に対応する

 東京五輪・パラリンピックの成功に向けて引き続き協力していく

 この三つだ。

 しかし、もちろん真っ先に話したのはコロナ危機に違いない。

 トランプがかけてきた電話で拉致や東京五輪の事をトランプが話すはずがない。

 拉致や東京五輪は安倍首相が国内世論の手前、持ち出したことにしているだけだ。

 トランプの最大の関心事は、大統領選に勝つためのコロナ対策しかない。

 中国に負けるわけにはいかない。だからレムデシビルを無料で提供するから日本で人体実験をして有効だと世界に宣伝したくれ、そう迫ったとしてもおかしくない。

 欧州首脳とWHO、中国が一緒になって行おうとしているワクチン、治療薬の共同開発に参加するより、日米で共同開発するよう協力しろ、と迫ったとしても不思議ではない。

 このままでは米国の雇用は最悪になるから選挙に勝てない。日本もはやく自粛を解除して経済再活性化につとめて米国につき合え、もと武器を買え、在日米軍負担費の大幅増をはやく認めろ、そう釘を刺されたとしてもおかしくない。

 もし日本にとって都合のいい話なら、安倍政権は今度の電話首脳会談をもっと大々的に喧伝しているはずだ。

 今度の電話会談に関する報道が驚くほど控えめなのは、日本にとっていい話がどこにもなかったからだ。

 首脳会談の内容を取材する事が難しいのは分かっている。

 しかし、少なくともこれまでのメディアは、夜討ち朝駆けで、なんとか政府関係者から聞き出そうと努力したはずだ。

 安倍政権になってどんどんそれが無くなりつつある。

 情報源は政府公表のプレスリリースに頼りっぱなしだ。

 メディアがダメになったのは忖度ばかりではない。

 権力の内部に飛び込んで、仲良くしながら政府にとって都合の悪い情報を取る努力をする、そんな本来のメディアの使命をいつの間にか放棄してしまったのだ。

 その結果、政府広報をそのまま垂れ流すか、いたずらに権力批判を繰り替えしてますます政府の本音を聞き出せなくするか、どちらかになってしまったのだ。

 もはや今のメディアから本当の事を知る事は無理だ。

 政府の思うつぼになりつつある(了)

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