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「横田空域」が国際問題にならない不思議

 

 きょう発売の週刊プレーボーイ(3月30日号)で、古賀茂明氏が羽田新ルートの進入角度の危険性と横田空域の関係について次のように明言しているのを見つけた(古賀政経塾!!)

 「・・・羽田新ルートの進入角度が3・45になった原因は首都圏上に広がる米軍管理の横田空域にある。米軍は横田空域への民間機進入をかたくなに拒んだため、横田空域を避けて新ルートを設定しようとすれば、どうしても3・45度にならざるを得ない・・・」

 日米安保の専門でもない元通産官僚でも、ここまで言い切ったのだ。

 しかも週刊誌の自らのコラムで公言した。

 これでもし、日米両政府から文句の一つも出ないなら、もはや横田空域はタブーでも何でもない。

 羽田新ルートは、米軍に主権を放棄した日本政府が、国民の安全や不利益を犠牲にしてまで米軍の要求を優先した結果であるということが周知の事実になってしまったということだ。

 そして、それを知ったところで、日本国民は日本政府に対して、対米従属政策を止めろと本気で要求しないのだ。

 ここまでは、おどろかない。

 これもまた、いまや周知の事実になってしまっている。

 もはや、安保反対を叫んでも国民は動かなくなったのだ。

 しかし、もし外国航空会社がこの事に気づいたら、文句が出るに違いない。

 私はそう言い続けて来た。

 なぜならば、日本の対米従属政策により日本国民が犠牲を払うのは日本の勝手だが、自らの航空会社が危険飛行を強いられ、その結果、事故でも起こったら、とんでもない事になるからだ。

 もし横田空域の存在が世界に知れ渡り、羽田新ルートが国際問題化すれば日米両政府はどう対応するのだろう。

 日米地位協定は世界の圧力で変更を強いられることになるのではないか。

 そう私は繰り返し指摘して来た。

 ところが、いまのところ、外国の航空会社が文句を言い出す気配はない。

 それどころか、試験飛行の結果、技術的に難しい、あるいは危険すぎる、という理由で、羽田空港を避ける動きしか伝わってこない。

 果たして羽田新ルートは、このままスタートするのだろうか。

 そして、何もなかったかのように定着するのだろうか。

 それとも事故が起きて初めて大問題になるのか。

 すべては、この問題を国会で議論しない野党のやる気のなさであり、外国飛行会社に横田空域を伝えようとしないこの国のメディアの使命感のなさである。

 安倍政権を支えているのは、この国の野党の体たらくと、ジャーナリズム精神を忘れたこの国のメディアであるという気がしてならない(了)

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