もしコロナウイルスなるものが本当に危険で深刻なウイルスならこの程度の騒ぎではおさまらないはずだ。
いまごろ世界中で犠牲者が広がってパニックになっている。
それとは逆に、もしコロナウイルスが、どこでも起きる、ただのインフルエンザのようなものであれば、騒ぎはとっくにおさまっていたはずだ。
おそらく今度のコロナウイルスは、そのどちらでもない、医者もはっきりと断言できない、「危険性のある」ウイルスに違いない。
そうなると、コロナウイルス騒ぎをおさまらせるのは、最後は政治決着しかない。
わからないからといって、このまま騒ぎを長引かせれば、その悪影響は世界的規模になるからだ。
どうやら習近平主席はトランプ大統領に、泣きついたか、脅かしたか、それはわからないが、米中で政治決着しようと持ち掛けたようだ。
そう推測できる二つの記事をきょう2月8日の紙面で見つけた。
ひとつは習近平主席がきのう7日、トランプ大統領と電話協議したと言うニュースだ。
「米国は冷静に感染症を評価し、合理的に対応してほしい」と訴えたという。
これに対し、トランプ大統領は、「さまざまな方法で中国に援助したい」と述べ、「専門家を中国に向かわせたい」と提案したという(日経)。
「米国は冷静な態度で感染拡大に対応する」とまで伝えたという(日経)。
もう一つの記事は、コロナウィルス騒ぎで中国経済が停滞し、米中貿易交渉の第一段階の合意の履行が困難になりそうであることがわかったという毎日の記事だ。
すなわち、中国は2020年ー21年の二年間で2000億ドル規模の米国製品を購入すると約束したが、落ち込みは避けられないという。
米中合意には、自然災害などが発生して合意の履行が遅れる場合は再協議する、となっており、中国はこの適用を求めるという。
すべては大統領選目当てに判断するトランプ大統領のことだ。
中国叩きをしばし中断し、トランプ大統領が政治決着に応じることは十分にあり得ると思う。
私がここで声を大にして言いたい事は、本来は安倍首相が習近平主席に持ち掛ける政治決着だということだ。
安倍外交にとって唯一の成果と言える習近平主席の国賓訪日を4月に控え、おまけにアベノミクスの息の根を止めかねないコロナウィルス騒ぎを、誰よりも封じ込めたいのは安倍首相だ。
トランプがやっと遅ればせながら言った「専門家を派遣して」、「冷静な態度で感染拡大に対応する」という言葉を、なぜ騒ぎが起きた早々に、安倍首相は習近平主席に電話会談で伝えなかったのか。
それどころか、米国の尻馬に乗って、規制を激しくしたり、台湾問題まで言い出した。
愚かだ。
「困った時の友は真の友」という言葉を知らないのだろうか。
日中関係改善の絶好のチャンスであるのに、ここでも自主自立した外交ができず、対米追従外交をくり返している。
この調子では、米中政治決着が実現したあかつきには、まっさきにトランプ大統領にお礼の電話会談をするだろう。
ドナルド、ありがとう、おかげで助かった、と。
安倍外交はなんとかならないものだろうか(了)
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