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追加関税撤廃の合意を否定したトランプ大統領

 今日の各紙が一斉に報じている。

 追加関税の撤廃問題で米中に食い違いが生じたと。

 すなわちトランプ大統領が8日、記者団に対し、「何も合意していない」と否定したというのだ。

 この発言は、7日に中国が、段階的に追加関税を撤廃することで合意したと発表した事に対して、それを否定するために発した言葉だ。

 そこで思い出されるのは、日米貿易協定における日本の輸入車に対する追加関税問題だ。

 安倍首相は追加関税を回避できた、ウィンウィンだと胸を張った。

 しかし、その根拠は協定のどこにも書かれていない。

 共同声明を見ても、はっきりしない。

 日本側がかってにそう言っているだけだ。

 注目すべきは、なぜトランプ大統領がこのタイミングで否定的発言をしたかだ。

 報道によれば、安易な関税撤廃に反対する米政府関係者や議会に配慮したためだという(毎日)。

 そうであれば、日本輸入車に対する関税引き下げなど、日本が騒げば騒ぐほど、「合意などしていない」とトランプ大統領は言い出すに違いない。

 実際のところ、トランプ大統領は近い将来、そう言い出す可能性はあると私は思っている。

 野党は日米貿易協定の承認を急ぐ必要はなくなったのだ。

 承認した直後の、追加関税すると言われたら、しゃれにもならない。

 米中貿易交渉に関するこのトランプ大統領の発言を奇貨として、「日米貿易協定の今国会の承認は時期尚早だ」と野党は主張すべきだ。

 それでもトランプ大統領と来年1月1日に発効を約束した安倍首相は、強引に強行承認に踏み切るだろう。

 野党は敵失の英語民間試験導入延期に浮かれている場合ではない。

 日米貿易協定の強行承認を阻止する事こそ打倒安倍の本丸にしなければいけない。

 日米貿易協定の強行承認阻止を、第二の安保闘争にしなければいけないのだ。

 しかし、残念ながらそうならないだろう。

 日本の政治も野党の政治家も60年代より劣化してしまったからである。

 米国重視がコンセンサスになってしまったからである(了)

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