テヘラン発共同通信が配信し、それをきょう10月17日の地方紙(下野新聞)が報じた。
サウジアラビア沖の紅海で11日にイランの石油タンカーが攻撃を受けた事件で、イラン政府はイスラエルの関与を疑っていることが、関係筋の話でわかったというのだ。
この攻撃はペルシャ湾ではなく紅海で行われたところがポイントだ。
サウジアラビアによる、石油施設攻撃への報復攻撃であると見るのが普通だ。
私も直感的にそう思ってこの記事を読んだ。
イランも当初はそれを疑い、サウジを暗に批判するような言動をとっていた。
私はイランとサウジの緊張が高まったとその時思ったものだ。
ところが、サウジもイランもその後、抑制的で、お互いに戦争は好まないと言い出した。
ひとまず危機は脱したと安堵した。
このイランへのタンカー攻撃は、この後どのように進展していくのだろう。
おそらくサウジの石油施設の攻撃と、イランの石油タンカー攻撃は、どちらも真犯人が特定されないまま、緊張が続いていくに違いない、そう考えていた。
その矢先に、今度の共同通信の記事だ。
私が注目したのは、その共同の記事の中で次のように書かれていたところだ。
「・・・イランは最近、サウジに融和的な姿勢を示している。関係筋は、両国の接近を嫌うイスラエルがこれを妨害するため、サウジ沖で攻撃を仕掛けたとの見方を示した・・・」
と書かれているのだ。
さらにまた、「・・・ロウハニ大統領は14日の記者会見で『駆逐艦かボートが複数のロケット弾を発射し、うち2発がタンカーに命中した』と主張した・・・」
と書かれている。
イランは、イスラエルが、サウジ政府の知らないところで、イスラエルの影響下にあるサウジの誰かを使って攻撃させた疑いがあると言っているのだ。
これ以上ない、イスラエルに対するイランのけん制である。
いまはトルコのシリア攻撃が中東の危機だ。
しかし、中東の最後の危機は、イランの核保有を阻止するイスラエルとそれに抵抗するイランの戦争である。
おりしもシリアの混乱に乗じて捕まっていたISの戦闘員が大量に脱獄したという報道が流れている。
中東は再び燃え始めた。
中東をめぐる米国とロシア、中国の覇権争いが本格化しつつある。
日本はそのような中東に決して関与してはいけない。
日本は東アジアの平和的共存、共栄の実現に専念すべきである(了)
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