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ペンス演説に待ったをかけたトランプ大統領は愚者ではない

 私は6月10日のメルマガ第431号「G20をぶち壊しかねないペンス副大統領の6月24日の演説」で書いた。

 すなわち、ペンス米副大統領は6月24日、首都ワシントンの研究機関「ウッドロー・ウィルソン・センター」で中国問題について演説を行うと香港の英字紙サウスチャイナ・モーニングポスト(電子版)が報じたが、もしそれが事実なら、演説の内容次第では、習近平国家主席は大阪で開かれるG20を中国はボイコットするかもしれないと。

 なにしろペンス副大統領は昨年10月の対中強硬演説で米中対立のきっかけを作った張本人だからだ。

 ここで再び強硬演説をくり返したら、それこそ米中対立は決定的になる。

 果たして24日のペンス副大統領の演説はどのようなものになるのか、目が離せなくなったと。

 そう私は6月10日のメルマガで書いた。

 そうしたら、きょう6月16日の読売新聞が教えてくれた。

 米ブルームバーグ通信が14日、こう報じたと。

 すなわち、24日に予定されているペンス副大統領の対中演説をめぐり、米政権内で実施時期や内容に関して論議が起きていると。

 トランプ大統領はG20に合わせて習近平主席と会談する方向で調整を進めており、中国側を過度に刺激することは避けたいとみられると。

 私が注目したのは、その読売新聞の記事の中にこう書かれていたところだ。

 すなわち、ブルームバーグによると、ペンス副大統領の演説は天安門事件からちょうど30年目の6月4日に予定されていたが、トランプ大統領が変更を指示したと。

 これを見て私は思った。

 愚者のようにふるまっているトランプ大統領であるが、決して愚者ではない。

 慎重に物事を見極めているのだ。

 戦略を持っているのだ。

 そのトランプ大統領に命じられて何でも従う安倍首相こそ、本物の愚者に違いない(了)

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