私が「国民を舐め切ったNHKの専務理事人事」と題して、いったんはNHKエンタプライズ社長に退いた板野裕璽氏が再び専務理事に返り咲くことになった人事を糾弾したのは4月9日のブログだった。
こんな露骨な人事を許してはいけないと。
今からでも遅くない。国民は声を上げてその人事を撤回させなけれないけないと。
しかし、それ以降、この人事についてメディアが疑義を呈した気配はない。
そう思っていたら、今日発売の週刊現代(4月27日・5月4日号)が要旨次のように報じた。
退任した専務理事が3年後に同じ職掌で返り咲くなんて前代未聞だとNHK局内はこの話で持ち切りだと。
板野氏はNHKエンタープライズにはほとんど顔を出さず、親しい関係にある杉田和博官房副長官や高校の同窓である石原進NHK経営委員長とのラインを軸に復帰に向けてずっと水面下で動いていたと。
反発必至の人事を官邸が許したのは、現在の上田良一会長が籾井勝人前会長のようなイエスマンではないために、総選挙や消費税増税のタイミングが迫る中で、報道にグリップを利かすためにもNHKの中枢に板野氏が必要だったからだと。
ここまで週刊誌に書かれてはもはやNHKはメディアとして終わった。
岩田明子記者の異様なまでの重用ぶりと相まって、NHKはもはや安倍政権の広報・宣伝機関だ。
それにしても、この実態を教えてくれるのが週刊誌だけというのはあまりにも情けない。
この国の大手メディアは総NHK化してしまったということだ。
この国は、安倍一強の6年間で、すっかりメディアが存在しなくなった。
いや、メディアが安倍1強を作り出しているのだ。
事態は異常で、深刻である(了)
Comment On Facebook