スイス・ジュネーブで開かれていた国連人権理事会は22日、北朝鮮による拉致問題を含む人権侵害を非難する決議を採択した。
この採択で見せた日本外交の迷走ほど、安倍外交のおそまつさを象徴したものはない。
この採択で見せた安倍外交は一言で言えばこうだ。
日本政府は毎年3月に開かれているこの国連人権理事会で欧州連合(EU)と共同で北朝鮮に対する非難決議を提出してきたが、今回は提案を見送った。
その唯一、最大の理由は、拉致問題の交渉に向けた環境づくりだという。
拉致問題解決のチャンスをつくるため、北朝鮮にメッセージを送るためだという。
その一方で決議案採択には賛成した。
賛成しなければ拉致を認める事になるからだと言う。
この判断について、日本政府関係者は次のように話したという。
「微妙な外交であるが、日朝交渉のためにできることはしたい」と。
何と言う稚拙でひとり相撲の外交だろう。
北朝鮮は一顧だにせず日本に対する敵視を激化させている。
そもそも北朝鮮に対し、「圧力と対話」という相矛盾した外交姿勢を、あたかも両立するかのように取り続けて来た安倍外交が中途半端なのだ。
対話を進めようとするなら、「前提条件なし」の安倍・金正恩首脳会談をとっくの昔に金正恩委員長に申し入れるべきだ。
金正恩委員長は間違いなく応じただろう。
圧力をかけるつもりなら、トランプ大統領に拉致問題の解決を頼むなどという情けない外交をするのでなく、トランプ大統領の尻を叩いて制裁強化を徹底させて金正恩体制を崩壊させるべきだ。
北朝鮮の暴発に万全の態勢をとり、国民に向けて万が一の犠牲を覚悟させるべきだ。
その覚悟もなく、米朝首脳会談が不調に終わったいまこそ自分の出る番だと金正恩委員長にシグナルを送り、一蹴されている。
そして、微妙な外交だ、難しい外交だ、とこぼさざるを得ない有様だ。
本来ならば決して難しくない外交を、策を弄して難しくしている。
自らの首を絞めている。
出来の悪い劣等生の受験勉強のごとくだ。
壮大な時間と予算の無駄である(了)
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