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米朝首脳会談の最中にさく裂したロシア疑惑爆弾

 偶然なのか、周到に準備されたものなのか、それはわからないが、米朝首脳会談が始まった、その同じタイミングで、ワシントンでロシア疑惑に関する超ど級の爆弾がさく裂した。

 いうまでもなく、トランプ大統領の元側近であったマイケル・コーエン弁護士の議会証言の事である。

 ロシア疑惑に関し、トランプ大統領が知っていた事、それどころか関与していた事を、生々しく語ったのだ。

 これまでのロシア疑惑追及のクライマックスである。

 普通なら弾劾に弾みがつく。

 いまの米国の政治力学では弾劾まで行かないらしいが、しかしトランプ大統領にとっては計り知れない汚名だ。

 なにしろ、ソ連は戦後の米国にとって最大の敵国であり、ロシアになった今でもそれは変わらない。

 そのロシアと結託して大統領選をゆがめ、ロシアによって米国の大統領にさせてもらった売国大統領という批判は免れないからだ。

 米国の政治史上に残る大きな事件だ。

 はたして世界の歴史に残るもうひとつの大きな事件である米朝合意に、このロシア疑惑がどう影響を及ぼすのだろうか。

 対北朝鮮強硬派に迎合して米朝合意を停滞させるのか、それとも逆に、ロシア疑惑を打ち消すために米朝合意に突っ走るのか。

 いずれにしても、トランプ大統領でなければ米朝合意の決断は出来なかったはずだ。

 そしてここで米朝合意が実現しなければアジア情勢は再び逆戻りする。

 米朝首脳会談の行方とロシア疑惑から目が離せない(了)

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