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「安倍首相の推薦状」事件から見えるもの(大手紙の優劣くらべ)

 

 正確に表現すると、安倍首相がトランプ大統領に対し、私はあなたがノーベル平和賞を受賞される事を願ってノーベル平和賞委員会に推薦状を出しましたということを伝える5ページにもわたる書簡をひそかに送っていた、この衝撃的な事実をトランプ大統領が15日の記者会見で電撃的に公表してしまった、そのことをいち早くNHKがきのう16日の早朝のニュースで流した、そういう事件だ。

 それを私は便宜的に「安倍首相の推薦状」事件と呼ぶことにする。

 この事件は実に多くの重要で衝撃的なことを教えてくれる。

 本来ならば私のきょうのメルマガで真っ先にそれらすべてをまとめて書いて終わらせたいのだが、さすがに書きたい事が多すぎてそれが出来ない。

 だから順次、問題ごとに分けて、どれが最も重要な事かということではなく(どれもみな重要だから優先度はつけられない)書いていくことにする。

 まず大手紙の優劣比較だ。

 もっとも大手紙はみな敗者だ。

 本件に限らずニュースのスピードに紙媒体はもはやついていけない。

 衝撃はトランプの記者会見の発言であって、そのものが主役であり、衝撃だったのだ。

 それをNHKはすかさず電波で流した。

 これはスクープでもなんでもない。

 皆が知ってっしまったニュースを落ち早く流しただけだ。

 スピード性に劣る大手紙の役割は、その事実の確認とその背景について取材、調査放送することだ。

 この点に関して、一番ダメなのは産経だ。

 何も取材することなくNHKのニュースと同じだ。

 一日遅れただけ悪い。

 次にダメな新聞は毎日であり東京だ。

 毎日は、ある政府関係者は毎日の取材に対し「答えられない」として事実確認を避けたと書き、別の政府関係者からは「聞いた事がない」、「驚いた」との声があがったと書いている。

 東京に至っては、米紙ワシントンポスト紙を引用し、本当か?韓国の文在寅大統領と勘違いしたのではないか、と言わんばかりだ。

 その点、読売新聞は評価できる。

 読売新聞は、取材に対して「日本政府関係者は安倍首相が推薦した事は事実だと認めた」、と書いたうえで、推薦状を送ったのは最初の米朝首脳会談以降と見られる、と分析している。

 私が一番評価するのが朝日だ。

 すなわち朝日はこう書いている。

 安倍首相は米政府から非公式に依頼を受け、昨秋ごろノーベル賞関係者にトランプ氏を推薦したことが取材で分かったと書いている。

 もしこれが本当なら今度はトランㇷ゚が恥をかく番だ。

 強がりとは裏腹に、トランプはノーベル平和賞が欲しかったのだ。

 それはそうだ。あのオバマがもらったのだから俺ももらう、と思ったのだろう。

 そのトランプを忖度した側近が安倍側近に非公式に打診し、それを受けてトランプの気持ちを忖度した安倍首相が推薦状を出したということになる。

そして、推薦状を出したことを、わざわざみずからトランプに手紙で伝えて、トランプの歓心を取ろうとしたということだ。

 またひとつ、安倍首相のトランプに対するみっともない関係が暴露された事になる(了)

 

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