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韓国政府は合意を破ってはいない。日本が怒っているだけだ

 韓国政府は昨日21日、慰安婦財団の解散を正式に発表した。

 これに関し、日本は、安倍政権はもとより、与野党もメディアも世論
も、狂ったように猛反発している。

 国際合意を一方的に破るような国は国ではないと。

 これでは日韓関係はなりたたないと。

 それを言うならトランプの米国に言うべきだ。

 しかし、私が書きたいのはその事ではない。

 米国と違って韓国は合意を破っていない。

 その事を言いたいのだ。

 報道を冷静に読むと、韓国政府ははっきりと述べている。

 韓国政府は日韓合意を破棄するつもりはないと。

 日韓合意を順守することに変わりはないと。

 その一方で、すべての報道は教えてくれている。

 元慰安婦のうち約7割は財団が支給した現金を受け取ったが、一部の
慰安婦や市民団体が合意を批判して受け取らないままだと。

 これを要するに、慰安婦財団の役割が終わったということだ。

 受け取らないと決断した元慰安婦がいまさら受け取ることはない。

 日韓合意に反対する市民団体が反対を止める事はない。

 個人の拒否する意思や反対行動を、政府の合意で一方的に捻じ曲げ
たり、阻止する事は出来ない。

 それが民主主義だ。

 役目の終わった慰安婦基金の残りの財源を無駄にしないためにも、
韓国政府の言う通り、他の目的に有効に使われるように日韓両政府は
協議を始めるべきなのだ。

 ここまで書いていくと、賢明な読者ならもうお分かりだろう。

 韓国政府は日韓合意を一方的に破棄したわけではない。

 あの日韓合意はもはやその役割を終えただけなのだ。

 日本が一方的に約束違反だと怒り狂っているだけだ。

 ついでに言えば、あの徴用工問題もそうだ。

 個人の補償請求権は、日韓合意で消滅したわけではない。

 このことは日本政府も認めている。

 韓国最高裁の判決は、日韓両政府にあの時の不十分な日韓合意に
ついて善後策を考えろと命じただけだ。

 そして文在寅大統領は安倍首相と違って司法の中立性を尊重し、
最高裁の判断を尊重し、日韓両政府で善後策を考えようと安倍首相
に提案しているのだ。

 慰安婦問題といい、徴用工問題と言い、今度の騒動から見えた
もの。

 それは日本と言う国が、政治家もメディアも世論も、歴史を直視
する勇気を持たず、隣国に対する反感、差別意識から抜けきれない
という事である。

 残念でならない(了)

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