今度の臨時国会の焦点になった感のある外国人労働者受け入れ拡大は、何が問題か。
もちろん問題は数多くある。
しかし、一番の問題は、労働問題の主務官庁である厚生労働省ではなく、外国人の入国管理を主管する法務省が主管する入管法の改正で処理しようとしているところだ。
政府側も検察出身の法務大臣が担当大臣として答弁し、野党側も検察出身や弁護士出身の議員が質問する。
これでは議論が技術的になる。
そして、外国人労働者受け入拡充は、つまるところは移民政策に行きつく。
これは、国を挙げての一大問題だ。
与野党の対立テーマではない。
多民族、多文化との共生は本来なら野党の主張だ。
しかし野党の中にも外国人労働者の拡充に反対する者はいる。
外国人排斥は本来は愛国右翼の主張だ。
しかし、安倍首相は外国人労働者受け入れ拡充を行おうとしている。
与党の中にも、野党の中にも、これからの日本はもっと国際化しなければいけないと唱える者もいる。
何よりも、国民の多くは外国人の移民には反対だ。
つまり、外国人労働者受け入れ拡充政策、そしてその行き着く先の移民政策は、政局になじまない日本の一大政策問題なのだ。
それにもかかわらず、すっかり政局の問題になってしまった。
外国人労働者受け入れ拡充を、突如として臨時国会のテーマにした安倍政権の下心が見える。
その思惑に野党はまんまとはまってしまった感がする。
その裏で多くの問題が蓋をされたまま臨時国会は終わる。
これこそが大問題である(了)
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