総裁選の論争がいよいよ始まった。
しかし、いまひとつ面白くないと思ったのは私一人ではないはずだ。
だから、安倍、石破の論争より、総裁選に絡む裏話を探す方が面白い。
きょう9月11の日経新聞は、「迫真」というコラムで、今度の総裁選にまつわる安倍首相の興味深い言動の数々を紹介している。
たとえば、安倍首相は今年の6月に、次のように口走って石破氏に猛反発したらしい。
「現職首相に対抗しようだなんて退陣要求に等しい」
当たり前だろう。
八百長でもないかぎり、総裁選に出る者は勝つつもりで出るのだ。
そして総裁選に勝てば即首相になる。
石破氏の立候補は安倍首相に退陣を迫るもの以外の何物でもないのだ。
だからこそ野党や反安倍の世論は、好きでなくても石破氏を応援するのだ。
しかし、石破氏を許さないという安倍首相のこの言葉は、すでに多くのメディアが報じている。
私がこの「迫真」の記事で驚いたのは次のように書かれていたところだ。
「・・・8月下旬、8日間の夏休みから首相官邸に戻って来た安倍は、陣営幹部から『国会議員票の約9割が安倍支持だ』との報告を聞き、あぜんとした。『そんなわけないでしょう。陣営が緩んでいるのではないか』。陣営の議員を総動員し、都道府県ごとに党員全員に電話をかけるよう指示した・・・」
これを読んだ時、私は読み間違えたかと思って何度も読み返した。
しかし引用した通り書かれているのは間違いなかった。
ひょっとして「9割」は「6割」の数字の間違いかとも思った。
つまり報道では国会議員の7割以上を固めたという読みがもっぱらだった。
だから6割と聞いて唖然として、はっぱをかけたのだ。
しかし、数字に強いはずの全国一の経済紙である日経が、こんな重要な数字の間違いをするはずがない。
そうだとしたら、安倍首相は9割でも不十分で、ほとんどすべての自民党の国会議員が自分に投票するようにはっぱをかけたという事になる。
自分に反対票を入れる国会議員など考えられないと思っているのだ。
なんという傲慢な男だろう。
というよりも、なんというピント外れの男だろう。
これはコンプレックスの裏返しだ。
今度の総裁選がどのような結果に終わろうとも、こんな非常識な男は、何をしでかすかわからない危険な男だ。
一刻も早く首相から引きずり降ろさなくては行けないということである(了)
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