きょう9月7日の毎日新聞で専門編集委員の布施広氏が書いていた(「布施広の地球儀」)。
米ワシントンポスト紙がトランプ大統領は安倍首相との6月の首脳会談で「真珠湾を忘れていない」と語ったと報じたが、菅官房長官はその事実を否定したと。
真相は不明だが、トランプ氏なら言いかねないと。
そしてその理由として、米大統領が真珠湾攻撃に言及するのは珍しくないとして、1995年にクリントン大統領が第二次世界大戦終結50年式典で真珠湾攻撃がナチスのユダヤ虐殺と並ぶ悪行だったと語った事、ブッシュ大大統領が米同時多発テロ(2001年)やイラク戦争(2003年)に関して何度も真珠湾攻撃を持ち出した事、そして小泉首相の訪米時(2006年)に米国議会で演説できなかったのは、ルーズベルト大統領が真珠湾攻撃を非難したその同じ場所で日本の首相の演説を認めないとした米議会重鎮らの例を挙げた。
その上で、布施広氏は次のように書いている。
それら歴代大統領ですら、昨日の敵は今日の友とばかり日米同盟を国際紛争の解決モデルと見る二面性があった。
しかし、トランプ大統領は違うと。
冷戦を共に戦った欧州諸国ですら敵に回すようなトランプ大統領が果たして日米同盟の価値を今後も長く認める保証はない、日本が対応に苦慮する事態は早晩訪れるような気がすると。
そして、そう書いた上で布施広氏は次のように締めくくっている。
(真珠湾発言を否定した菅官房長官ら)政府関係者たちにも(私と)同じ予感があるから報道を否定したいのかもしれないが、いまさら真珠湾発言に慌てることもなかろう。「寝ても覚めても日米同盟」の意識を変える準備をトランプ政権下ですればいいのだと。
こんな論説が出るようになったのだ。
いよいよ日米同盟見直しの議論が始まるのだろうか。
私はそうは思わない。
この布施広氏ですらまだ甘い。
おそらく布施広氏はNHKの「悪魔の兵器はこうして誕生した」という番組を見ていないに違いない。
それを見ればそんな甘い事を言っている場合ではないことがわかる。
準備するとういうような悠長なことを言っている場合ではない。
米国と言う国の本質を知れば、その米国と軍事同盟を維持し続ける事が如何に間違っているかがわかる。
日本の政治の最大の問題が日米同盟からの自立である事がわかるのである。
そして、その事が出来る時は、トランプ大統領の米国である、いまを措いて他にないのである(了)
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