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安倍首相のためなら日米新貿易交渉さえも犠牲にする忖度政治

 私はかねてから不思議に思って来た事がある。

 それは日米新貿易交渉、つまり米国の理不尽な市場開放要求に対する攻防についての記事があまりにも少ない事だ。

 もうすぐその交渉が始まろうとしているというのにである。

 いうまでもなく、米国第一主義のトランプ大統領が仕掛ける貿易戦争は理不尽極まりない。

 そしてそのトランプ大統領が日本との貿易摩擦は日本との二国間交渉で解決すると繰り返している。

 逃げまどう日本に対してついに米国はしびれを切らして8月9日から閣僚交渉を迫った。

 ただでさえ理不尽な米通商代表部(USTR)であるのに、その代表に強面のライトハイザーが就いた。

 米国が無理難題を押し付けてくるのは明らかだ。

 日本は国をあげて立ち向かわなくてはいけない。

 国家の命運を決める一大交渉が目前に迫っているというのに、この日米新貿易交渉に関する報道がまったく見られない。

 米国が何を要求し、日本はどう防戦するのか。

 その緊迫感がまるで伝わってこない。

 そう思っていたら、きょう8月3日の読売新聞が小さな記事で書いた。

 協議に時間をかけるほど、米国が市場開放などの要求を強めかねないから、短期間での決着を目指す(政府関係者)と。

 9月下旬にニューヨークで開かれる国連総会にあわせ、安倍首相とトランプ氏の首脳会談の可能性があるので、それまでにトランプ氏を納得させる必要がある(経済官庁幹部)との声が強まっていると。

 なんということだ。

 これを要するに、トランプ・安倍会談を成功させるためには交渉などせず、要求を丸呑みするということだ。

 これまでの日米経済摩擦交渉では考えられなかった事だ。

 かつて細川政権の時、クリントンの米国との経済交渉で日本の官僚たちは米国の理不尽な要求に抵抗し、それに従った細川首相が譲らなかったから、首脳会議でも合意に至らなかった事があった。

 日米首脳会談が行われても合意に至らなかった初めてのケースだと、それが武勇伝として語り草になったほどだ。

 いまや、安倍政権の下で、その気概は微塵も感じられない。

 政治家も官僚も、そしてメデアも、安倍首相への忖度をすべてに優先するようになったのだ。

 国民の利益を守る使命感はゼロだ。

 日米新貿易交渉に関する記事が見られない理由がそこにある(了)

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