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バルグーティとハニヤのパレスチナ国家樹立を夢見る

 きょう7月29日の読売が、エルサレム発金子靖志記者の記事として教えてくれた。

 パレスチナ自治政府のアッバス議長の後継者を選ぶ選挙が今実施されたなら、イスラエルに収監中のマルワン・バルグーティ氏(59)が最も高い支持率を得ることが民間調査機関の調べで分かったと。

 なつかしい名前だ。

 私がレバノンの日本大使をやっていた2000年の初め、第二次インティファーダ(反イスラエル人民蜂起)が起きた。

 その時、イスラエル攻撃に関与したとして拘束され、終身刑を言い渡されたのがバルグーティ氏だった。

 パレスチナ人の人望が厚く、だからこそイスラエルは彼を収監し、二度と釈放できないのだ。

 しかし、彼が獄中で死ねば、パレスチナ人の暴動が起きる。

 解放しても、しなくても、イスラエル当局は追い詰められる。

 そうなのだ。

 かつての南アフリカのネルソン・マンデラのような人物なのだ。

 そのバグルーティが、ヨルダン西岸とガザに居住する20歳以上のパレスチナ人男女2150人を対象に実施された調査で30%の支持を得たという。

 ちなみにイスマイル・ハニヤ氏が23%で二番目の支持を得たという。

 2006年のパレスチナ自治選挙で圧倒的多数で選ばれたとき、意に反する結果だとして米国とイスラエルが兵糧攻めをした時、「オリーブと塩があれば生きていける」という不屈の名文句を口にして、パレスチナ人を鼓舞したハマスの最高幹部がハニヤ氏だ。

 バグルーティ氏とハニヤ氏は、和平派のファタハと徹底抗戦派のハマスという立場の違いがある。

 しかし、この違いは、米国やイスラエルが作り上げた分断統治だ。

 パレスチナ国家の樹立を願うことに変わりはない。

 バグルーティ氏とハニヤ氏は、パレスチナ人の願望を体現する二大政治家だ。

 この二人が健在である限り、米国もイスラエルも、パレスチナ国家樹立を妨げる事は出来ない(了)

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