モリカケ疑惑から逃げるかのように安倍首相が外交に狂奔しているのは、もはや誰の目にも明らかだ。
ところが、逃げるはずのモリカケ疑惑に、「外交の安倍」がとどめを刺されたとすればこれ以上の皮肉はない。
まして、とどめを刺されたのが、安倍首相が最も重視して来た拉致問題に関する対北朝鮮外交であるとすれば、それは皮肉を通り越して無残だ。
きのう6月15日の日刊ゲンダイ(6月16日号)が教えてくれた。
14日付の北朝鮮の「労働新聞」が、「安倍政権の首を絞める縄」と題してモリカケ疑惑を次のように報じたという。
すなわち、
「現在、安倍政権が森友及び加計学園問題に介入した事実資料が次々と明らかになっている」と
「安倍は不正醜聞事件に連座したことを認めれば、権力の座から追い出されるため、すべてを否定しながら、責任転嫁、執拗な隠ぺい行為をしている」と
「日本の民心は、権力を悪用しながら不正腐敗を行っている安倍政権に背を向けている」と。
驚くべき労働新聞の記事だ。
当然のことながら、北朝鮮は日本の政局を隅から隅まで情報収集し、分析しているのだ。
そして今の安倍首相が置かれている状況を知った上で、ここまで足もとを見透かしているのだ。
これでは安倍首相は日朝首脳会談など出来るはずがない。
たとえ出来たとしても、まともな外交など出来はしない
少なくとも9月の自民党総裁選で3選を果たして安倍政権を強固なものにした後でないと、日朝首脳会談などあり得ないし、してはならないのだ。
そして、もし「外交の安倍」が9月の総裁選に勝つために点数稼ぎで、その前の日朝首脳会談にこだわれば、その会談はごまかされて終わるしかない。
そして、もし何の成果も得られずに終わる日朝首脳会談となれば、その時点で安倍政権は終わりだ。
日朝首脳会談は、やってもやらなくても、安倍首相を追い込む事になる。
モリカケ疑惑から逃げる為の拉致外交であるはずが、そのモリカケ疑惑にトドメを刺されるのだ。
それにしても、こんな重要な労働新聞の記事であるというのに、なぜ大手新聞は報じないのか。
もし昨日15日の朝日や読売が一面トップに、この労働新聞の記事を掲載していたなら、もはや安倍首相では拉致問題の解決は無理だと国民が知るに違いない。
安倍政権が続く限り日本の外交は機能しないことがわかるはずだ。
だからメディアは報じないのだ。
もはや安倍首相はモリカケ疑惑から逃れられない。
どんなに策を弄しても、もう終わりである(了)
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