今度の米朝首脳会談の結果いかんでは、日米安保体制が終るかもしれないと私は書いた。
しかし、それをはるかに超えて、日本はロシアと組んで北東アジアの新たな安保体制をつくれと唱える者を見つけた。
佐藤優がそれだ。
送られて来た情報月刊誌エルネオス6月号に佐藤優の寄稿を見つけた。
その要旨はこうだ。
4月27日の南北首脳会談とその合意としての板門店宣言は、朝鮮半島の政治的枠組みを変化させる可能性があると。
すなわちこれまでの韓・朝・米・中・日・ロの枠組みから、日本とロシアが外される事になると。
この板門店宣言は日本の国益を大きく毀損するものだと。
幸いにしてロシアもこの状況に強い危機感を抱いていると。
いまこそ安倍首相は東京に6カ国の首脳を招いて6カ国首脳会談を行い、朝鮮半島の非核化と北朝鮮の安定について虚心坦懐な議論を行い、6カ国が相互不可侵を約束し、北東アジアの安定を確保する集団安全保障交渉を日本が提唱すべきだと。
その場合、日本が少しロシアに歩み寄りさえすれば、ロシアは日本に協力すると。
そうすれば、日本とロシアが主導したあらたな北東アジアの安保構想が出来ると。
何の事はない。
着任したばかりの、ロシアのガルージン大使の言ったことをくり返しているのだ。
ロシアの日米同盟分断作戦に加担しているのだ。
米国が激怒するに違いない。
ただでさえトランプ大統領に見限られようとしている日米同盟だ。
佐藤優にこんなことを公言されるようでは、安倍自公政権も日米同盟もお終いだ。
安倍自公政権や日米同盟が終っても一向にかまわないが、ロシアと組んではあらたな安保体制をつくるようではだめだ。
北東アジアのあたらな集団安全保障体制は、憲法9条を国是とする日本が、軍事覇権主義を排除した形で中国、韓国、北朝鮮と作り上げるものでなくてはいけない。
その事を唱える政党、政治家が出て来なくてはいけない。
それを支持するメディアが出て来なくてはいけないのである(了)
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