ついに自民党の憲法9条改憲案が決まった。
きょう3月23日の各紙は一斉にそう書いて、これをトップに持ってきた。
トップに持ってきたのはいい。
憲法9条改憲は、それほど重要な、戦後政治の最大の問題であるからだ。
しかし自民改憲案が決まったと報じるのは大きな間違いだ。
決まらなかったのである。
そもそも、自衛隊を軍隊として憲法に明記したい安倍首相が、世論の反発を恐れて、戦力不保持、交戦権の否定を謳う9条2項を残すと言い出したこと自体が矛盾しているのだ。
あの集団的自衛権を認めた安保法の時と瓜二つの腰砕けだ。
だからこそ、今度も石破などの本物の改憲論者との意見がまとまらなかったのだ。
まとまらなかったものを、細田博之自民党改憲推進本部長一任という形で、安倍首相案に沿って強行決定したのだ。
しかも、決定したといってもいまだ3案にわかれているのだからお笑いだ。
こんな状況で3月25日の自民党党大会で成案が決まるはずがない。
つまり、自民党の憲法改正推進本部案が細田本部長一任で決まっても、自民党の改憲案はいつまでたっても決まらないのだ。
だからこそ自民党は提案している。
このたたき台をもとに、衆参の憲法審査会で各党と議論した上で改憲原案を策定したいと。
こんな馬鹿な話はない。
野党は突っぱねるべきだ。
自民党案をつくってから出直して来い、と。
当たり前だろう。
憲法9条を改憲したいと言い出したのは自民党である。
その自民党がまとまらないのに、なぜ野党が成案づくりの議論に乗らなければいけないのか。
しかし、残念ながら野党は憲法審査会の議論に応じるだろう。
そしていったん議論に応じてしまえば、審議は尽くされたといって最後は強行採決になる。
それが安倍政権のこれまあでのやり方であるからだ。
だから、憲法9条改憲を阻止するには、森友文書改ざんで後のない安倍首相を、いまここで辞めさせるしかない。
しかも、いまこそ辞めさせる絶好のチャンスだ。
もはやこの機会を逃せば安倍政権を倒すチャンスは二度と来ないほどのチャンスである。
果たして野党は安倍首相を辞任に追い込む事が出来るか。
それが出来たら、もちろん憲法9条改憲は吹っ飛ぶ。
しかし、もしここで野党が安倍政権を退陣に追い込む事が出来なければ、憲法9条は変えられてしまう。
そして憲法9条が変えられてしまえば、もはやこの国の政治において野党の存在意義はなくなる。
森友文書改ざん問題と憲法9条改憲問題で絶体絶命のピンチにある安倍首相であるが、同時にまた野党もこの二つの問題で追い込まれているのだ。
どちらが勝つか。
私にはわからない。
はっきりしている事は、安倍政権を倒すのは今しかないという事である。
長期戦にさせてはいけない。
訪米させてはいけない。
5月の連休をまたがせてはいけない。
サミットに行かせてはいけない、
安倍首相のままで通常国会を終わらせてはいけないのである(了)
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